OURSブログ

社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

現物給付について

2024-05-12 21:06:31 | 社会保険

現物給与とは「労働の対償として現物で支給されるもの」をいいますが、住宅の貸与(社宅)と食事の供与が一般的なものといえます。なお、作業衣の支給等については「労働者が業務に従事するため支給する作業衣又は業務上着用することを条件として支給又は貸与する制服の利益については賃金とされない」とされています。この現物給与について最近質問が重なりましたので若干触れておこうと思います。

労働基準法(労働保険)では住宅の貸与や食事の供与は原則として福利厚生とみなされますが、住宅の貸与を受けない者に対して住宅手当など均衡給与が支給されるている場合の均衡給与相当額は賃金とみなされるとされています。ただし実費の分3分の1以上を徴収をされている場合は実質的に支給されていないものとして賃金とはされない(昭和22.129基発452号)ので、概ねこの点を踏まえて実費徴収されており賃金になる場合は少ないのではないかと思います。

社会保険では、住宅や食事その他について、原則として厚生労働大臣がその地方の時価によって定めた額があり、毎年3月に4月からの新年度における現物給与価格一覧表が発表されます。

令和6年4月からの現物給与の価額
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/hoshu/20150511.files/2024.pdf

社会保険の調査では現物給与について確認されることがあり、例えば現物給与価額が変わったときは固定的賃金の変動に該当することや住宅の貸与については結構細かいのですが居間や寝室など居住用の部分の面積を出して、畳一畳につき決められた額を乗じることで計算するという方法は知っておく必要があります。また食事について食事代を徴収している場合、決められた現物給与価格の3分の2以上を徴収している場合は現物給与の支給とはされず、3分の2未満が徴収されている場合は、決められた現物給与価格から徴収額を控除した額が現物給与の額になります。

労働基準法(労働保険)と社会保険では現物給与とされる食事の徴収率について異なっている点は注意が必要です。

SDGsに関連して、衣料廃棄物問題が注目されるようになり、各メーカーともリサイクルの考え方が普及し自社製品を引き取ってくれることが多くなりました。ユニクロなども店舗にBOXを用意しているのを今日自宅近くの駅ビルにあるお店で見つけました。

昔は服を選ぶ際サイズや型を気にすることがなかったのですが、特にここ数年は体形がどんどん変わっていきシーズンが明けると情けなくも着れなくなっている、あるいは無理をしているように見えるなどの状況が発生。良く購入する三陽商会の服も引き取ってくれてポイントに換算してくれるということで、連休中の衣替えの時に思い切って整理して持って行きました。かなり気に入っていたものもあったのですが、おそらく元の体系には戻れないし、今の自分を受け入れる気持ちは大事だよなあ~と思いつつ、一つ一つクリーニングに出して感謝を込めて持って行きました。