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2月15日・ 怠りなく努力せよ

 

2月15日

怠ることなく努力せよ。

 ヒラニアヴァティー河を渡れば、そこはクシナガラの郊外である。80歳の釈迦は、お待者の阿難(アーナンダ)に寄りかかりながら、ヒラニアヴァティー河を渡られた。『阿難よ、私はここで横になりたい』

最早、釈迦にはそれ以上歩く力がなくなっていた。

 クシナガラ郊外の沙羅樹の間に、阿難が衣を折りたたんで造った床の上に、釈迦は横になられる。

 北を枕にし、右脇を下にして、足と足とがきっちりと重ね合わされている。釈迦は静かに目を閉じられた。

 釈迦の80年の生涯

--そのうちの45年は伝道の旅に明け、説法の旅に暮れた遊行の人生であったが――は、今まさに幕を下ろさんとしているのだ。

お待者の阿難は、思わず涙を流してしまった。その阿難に釈迦はこう言われた。

『阿難よ、泣くのをやめよ。私はかねがね教えて来たではないか。“別れは必ずあるのだ”と』釈迦に諭されて阿難は涙をぬぐった。そしてクシナガラの町の人々に伝えに行った。

 仏教の開祖のお釈迦様は今夜入滅される。お釈迦さまを拝すのは今夜が最後の機会だ、と。それを聞いて大勢の人々がやってきた。老若男女、クシナガラの住民のほとんどが釈迦を拝そうとしてやってきた。

 人間ばかりではない。鹿や馬、牛・・・様々な獣たちが集まってきた。空を飛ぶ鳥たちも、釈迦との最後の別れのために、集まってくる。全部で52種類の生類が参集したという。仏典にそう書かれている。

そして、

「では、私の最後の言葉を告げよう。なべて世は無常である。怠ることなく努力を続けよ――」

そう言い残して、釈迦は静かに息を引き取られた。

その日は2月15日であったという。

 

それゆえ、われわれは、2月15日を「涅槃会・ねはんえ」と呼び、お釈迦さまを偲ぶ日としている。

“涅槃”とは生命の火の消滅を意味する。釈迦のうちに有って燃え続けていた生命の火が消え、釈迦は真理の世界に帰還されたのである。

 

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