FXと暗号資産(Crypto)とゴールド(金)についての随想です。コメント欄は承認制になっています。
やまはFX・Crypto



今回、話題の中心となったドバイの支払い延期の件を聞いて最初に思い起こしたのは、先にご紹介した、LEAP/E2020の39号の内容である。再掲すると、

(引用)
今後、インフレ・増税・国家破綻のどれかに陥る可能性が在るとされた国は、「まずはアメリカ・英国・アイルランド・アルゼンチン・ラトビア、そしてさらにもしかしたらスペイン・トルコ・ドバイ・日本」
(引用終わり)

日本と並んで最後に出てきたドバイだったが、まさかここが次の火種となろうとは思わなかった。しかし、出てきてみるとまったく意外感はないのは皆さん同じだろう。NHKの素晴らしいドキュメンタリー番組「沸騰都市」のドバイ特集(NHKオンデマンドのページ)(この番組は無料です。まだ見ていないかたにはぜひお勧めします)を以前にご覧になった方も多かったと思うが、これを見て誰もが思いついたドバイのキーワードは「砂上の楼閣」だっただろう。これが今後どの程度の影響を及ぼすかは経済系のサイトを見てみてもいろいろな意見があるようだが、欧州の金融機関は相当な苦境に陥る様子だ。また、それとは独立に、サイクル的にも今回の調整はかなり長引くと見た方がいいだろう。
 
というのは、為替のドル円は、これから5年サイクルのボトムに達しようとして動いていることはほぼ間違いない。図に示したように、ドル円の5年サイクルは、1990年9月・1995年1月・2000年1月・2005年1月と底値を刻んでおり、次は2010年1月過ぎの勘定だ。実際は黄金比の週数・日数などで計算するため人によって違うが、若林氏は、2月14日、小龍氏は2月4日(あるいは3月)が底と言っているようだが、だいたいそんなところだろう。なお、その時の底値は、16年サイクルボトムである2011年7月頃(1995年4月から16年3ヶ月)に想定される底値更新(おそらく1995年時の史上最低値の79.75円を大幅に下回る)よりは上ということで80円ぎりぎりということでいいだろう。ただ、市場に大量に出回っているとされるノックイン債には80円のオプションとなっているものもあるだろうから、80円を割ろうとする動きも出てくるだろう。また80円付近では間違いなく介入の動きもあるだろう。このあたりは微妙である。近づいたらまた考えたい。
 
先週末の下げで、この調整が円高・ドル高系の正統的リスク回避モードであることはほぼ間違いないことになったから、この後、強い円高・ドル高となり、NY株をはじめ世界の株、金を含む商品も一度は大きく売られることになるだろう。そして、2月の底から先は、サイクルにより、ドル円が大きく戻るはずで、それは、ドル売り・円安のチキンレースの復活を意味している。おそらく、ドバイの件やそれに関わる諸問題の解決にメドがついてまた経済復活のネタが出てくるのだと思う。なお、基底にあるドル安は強いものがあるので、金価格は、このドル円サイクルの底である2月よりも相当早く上昇に転じると考えている。金と為替の非連動もこのところ見えてきた特徴である。
 
5年サイクルボトム終了後、また月単位の上昇に戻り、ドル円も90円あるいはそれ以上まで戻ることとなり株・商品も再度上昇するが、すでに世界経済は壊れかけているはずで、当然、さらにその後すぐにまた為替・株価・商品の崩落が予測される。そのときの金の動きなどは関心が持たれるが、それはまた考えたい。金については、数年以内にとんでもない価格になる時期があると確信している。前に書いた通り、数年に渡り、ドル安とドル高が交互にやってきつつ、だんだんとドルが減価していくプロセスと考えたい。
 
以上は中長期のことになるが、現在の86円から、底である80円レベルまでの6円差をここから2ヶ月余程度でやるわけなので、短期で見れば平均した下降率はスローペースである。つまり、かなり上下が大きいことが予測される。来週あたりはテクニカル的な反発もあり、ドル円も上げるかもしれない。あるいはもう少しこのあたりで揉むことも考えられる。商品や株も同様である。しかし遠からずファンダメンタルの新しい下げ材料(ドバイがらみ?)が噴出してきて、大幅な下げになるだろう。金も来週はいったんは最高値を更新することはあるかもしれないが、いままでの調整を見ていると今後すぐに150ドル程度の調整下げがあると考える方が自然である。フィボナッチの計算で、700ドル台からのこの一連の上昇の38.2パーセントダウンである995ドルあたりの可能性はあると考えている。今回は通貨不信もあるので1000ドルを割るまでは下がらないかもしれないが、ドバイ問題の拡大によっては、1000ドルぎりぎりの下げはあるかもしれないので、レバレッジには注意したい。しかし、金や銀の場合、戻りも大きく、その動きは速いと思うので、うまく売り買いすれば利幅は大きいだろう。
 
ということで、来週からは、戻りを待ってのドル円・クロス円売りのトレードとしたい。ドル円はまず87円でのショート、さらに88円があれば大量ショートだろう。ドルストレートも戻り売りでいいと思うが、戻しの動きも激しくなりそうなので、これもレバレッジには注意したい。金・銀は当初の計画通り、金ロング少々と銀ショートで、上にいけばショートを加えていき、下にいけばロングを加えるという形で攻めてみたい。基本的には、すでに何度か書いた予想と同じである。
 
いずれにせよ、「ドバイ」が始まったということは、今後、最初のLEAP/E2020リストにある「ラトビア」「アイルランド」「アルゼンチン」などが火を噴く可能性もある。もしかしたら「英国」などという声も聞こえてくるかもしれない。いよいよ危機の第二幕が開いたという認識でいいと思う。ここから数年間、人類がいままで経験したことのない未曾有の経済大混乱が眼前に現出すると考えている。その混乱の大きさは、いつも掲げているアメリカのマネタリーベースの供給グラフを見ればあきらかだ。あの膨大なお金の量に比例する大きさの経済の大崩壊がまさに2009年11月27日から始まったと見なされるのである。



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今回のドル安の頂点は自分としてはきわめてむずかしかった。ドル安のチキンレースが崩れて調整に入り、その後月単位でまた戻すという見込みでたぶん問題なかったのだが、まさに頂点に達したところで、調整はないのでは?と邪念が生じたのは残念だった。ブログで毎日自分のポジションを公開して、また一日に多くの人に見ていただいて、また予測を書くというルーチンは相当のプレッシャーである。とくに今回のように想定と逆ポジションになったときはきびしいものがある。そのへんのメンタルの部分もさらにがんばっていきたい。
 
上は心理的側面であるが、やはり今回の相場、逆説的になるが、おそらく為替だけをやっていたら、完全に読み切ることができたと思うが、自分で銀のショートを持って踏んだのがいけなかった。金・銀の天井付近の猛烈な値動きは為替以上のものがある。やはりまだ商品相場についての知識・技量は経験不足が大きいことがわかった。このあたり、さらに研究し、またこちらのコメント欄で書いてくださる先輩方のご教示もいただきながら、よりよいトレードができるようにがんばっていきたい。為替がメインながら他のものも目配りするといろいろおもしろいと考えている。(単一に専念した方が儲けは多いかもしれないが。)
 
このブログは、自分のトレードに資するために心覚えとしてはじめたものであるが、最近は、コメント欄にたいへんに充実した意見を多く書いていただけるようにもなり、それを見るためか一日に複数回アクセスされる方も多いようだ。複数回アクセスはPV(ページビュー)数をユニークIP(IPアドレスから見たネット端末)数で割ることにより求められるが、あきらかに最近急激にPV/IPが増加している。うれしい傾向である。為替トレードに、ファンダメンタル・テクニカルを問わず自由な意見が述べられる開かれた場所は意外に少ない。そういう意見交換の場ともなれれば望外の幸いである。

この件についてはこのぐらいとして、次のエントリーでは来週からの予測にしましょう。笑 明日書きます。




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