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巻き添え食ってたまるかよ

ムーンライト

2017-11-24 19:10:30 | 映画(映画館)
Moonlight@早稲田松竹/2016年アメリカ/監督・脚本:バリー・ジェンキンス/出演:ナオミ・ハリス、マハーシャラ・アリ、トレヴァンテ・ローズ、ジャネール・モネイ、ジャハール・ジェローム、アンドレ・ホーランド、アシュトン・サンダース、アレックス・ヒバート

あの夜のことを、今でもずっと、覚えている。

名前はシャロン、あだ名はリトル。内気な性格で、学校ではいじめっ子たちから標的にされる日々。自分の居場所を失くしたシャロンにとって、同級生のケヴィンだけが唯一の友達だった。高校生になっても何も変わらない日常の中で、ある日の夜、月明かりが輝く浜辺で、シャロンとケヴィンは初めてお互いの心に触れることに…

自分が何者かを探し、自分を愛することができた時、初めて誰かを愛することができる—
本年度アカデミー賞作品賞受賞!
世界中が瞬く間に虜になった、純粋で美しい愛の物語


自分の居場所を探し求める主人公の姿を、色彩豊かで革新的な映像美と情緒的な音楽と共に3つの時代で綴ったこの物語は、北米で大ヒットを記録し、第89回アカデミー賞では作品賞・脚色賞・助演男優賞の3部門に輝いた。LGBTQをテーマにしたラブストーリー、また黒人だけのキャストやスタッフによる作品がオスカーを受賞するのは共に史上初のことであり、まさに歴史に残る快挙となった。

なぜ『ムーンライト』が世界中を魅了しているのか――。それは人種、年齢、セクシュアリティを越えた普遍的な感情が描かれているからだ。どうにもならない日常、胸を締め付ける痛み、初恋のような切なさ、いつまでも心に残る後悔…思いもよらぬ再会によって、秘めた想いを抱え生きてきたシャロンの暗闇に光が差したとき、私たちの心は大きく揺さぶられ、深い感動と静かな余韻に包まれる。




みなさんはどんな夢をみるでしょう、睡眠時、誰しも悪夢にうなされたくはない、淫夢といわずとも、イイ夢みたいですよね。

私の場合、母方の親戚が大家族で、子どものころ泊りに行ったりすると普段の生活と異なるハレの場でもあり、しばしば夢の舞台装置となる。またこれに劣らず高校時代の夢もしばしばみる。高校の校舎がまったく違う複雑な形状になっていたり、卒業して何年かしてからまた高校へ入り直すような奇妙な設定のことも。

3年前の冬、高1時代の友人でその後仲違いしてしまった村松くんが相手の淫夢をみて以来、彼は私のオカズ=自慰行為の主演男優として圧倒的なプレゼンスを築く。しかし夢としてはその後1回くらいしか登場していない。やはり圧倒的に登場してくれるのは千野くんだ。高2のころ私がメロメロになって、周辺の友人関係を一挙に失ってしまった、運命の相手。

淫夢であることは滅多にない。彼は、私にとって単純な性欲などというものを超えた存在だ。村松くんは私とちょっと似た陰険な性格で、変態性欲の気もないではない、淫夢をきっかけに、オッこれは…という新鮮な驚きを与えてくれたが、千野くんは誠実で優しく、お茶目な面もあり、全員が勉強できる前提の都立高で誰にとっても好ましい存在だった。高2のクラス替えで、それまで2つに分れていた書道クラス=なので美術の私と書道の千野くんや永田くんは高1のみ同じクラスに=が一つにまとまり、このクラスは少し自意識的にイキッていたのか通例は演劇である高2秋の文化祭の演目に、通例は高3で作る映画をもってきた。千野くんはこの主演男優だった。

私は高2でクラスが分れてしまっても放課後は書道クラスを訪ねて千野くんや永田くん奥村くんら高1の時からの友人と毎日のように一緒に帰っていたが、彼らの映画制作が進むのと並行して、どうしたわけか私と千野くんが2人きりで帰ることが多くなり、レコード店などへ立ち寄ったり、共に過ごす時間が長くなってゆき、次第に私は彼にオネツとなっていったのだ。

ピークはこの映画が完成した文化祭、9月下旬の三日間である。二人だけのデート。ベイ・シティ・ローラーズ
彼が主演した映画をはじめ4本か5本くらい映画や演劇を見たな。夢のようだった。しかし幸福な時間は長く続かなかった。私の恋心は、彼らにとっては厭わしいものに他ならない。夢の文化祭から3週間後、絶交されてしまった私。いまとなっては、その後の人生を含めても、やはり彼と2人きりで過ごした甘い夢は、すべてのエネルギー源といってもいい特別な位置にある。彼はもうとっくに結婚して子どもも大きくなり、私を思い出すこともないだろう。しかし私にとっては不滅だ。年をとってボケると、寝ていなくても悪夢の続きのように不安や恐怖で叫んだり譫妄状態におちいる人が少なくないと聞くが、私の場合は千野くんら友人や父母親戚が守ってくれるだろうと楽観しております。

ムーンライト? もちろん悪い映画ではないが、これが作品賞かと。地味で、とくに斬新なところもないので。ララランドはもっと好悪が分れるのかな。映画などショービジネス界は、プロデューサーや監督や俳優による過去の性暴力が次々と告発され、いま新たな時代への生みの苦しみなのか、それとも終りの始まりなのか、といった状況にある。私にとっては後者。映画から教わることはもうない—


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