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「ベルヴィル・ランデブー」

2004-12-30 21:39:38 | 映画(映画館)

Les Triplettes de Belleville@新宿・テアトルタイムズスクエア、シルヴァン・ショメ監督(2002年フランス=カナダ=ベルギー)
戦後まもないフランス、内気なシャンピオンに自転車への興味があることを知ったおばあちゃんは、来る日も来る日もトレーニングを見守り、やがてツール・ド・フランスに参加するまでに育て上げる。
しかし、レースの最中にシャンピオンが謎のマフィアに誘拐されてしまう。
そんな最愛の孫を救うため、海を越えて巨大都市“ベルヴィル”にたどり着いたおばあちゃんと愛犬・ブルーノ、そして偶然出会った陽気な三つ子の老婆たちによる不思議な大冒険が始まる!

ビター・チョコレートのような味の美しい作品。
老いをここまで美しさに転化できるのかと驚き。
躍動感は宮崎アニメの最高のときに匹敵する。
これがアカデミー賞でピクサー・アニメに負けたとは信じられない。
高踏的なアニメという点では「マインド・ゲーム」、色調は「東京ゴッドファーザーズ」を思わせるが、ストーリーと音楽で一枚上をいっている。
今年の最後が傑作でよかった。

…おすぎは週刊文春誌上で「もともとアニメは苦手なのにグロテスクな絵とブラックな味が生理的にダメでした。ストーリーは別として...」と論評し、★2つをつけている。
「アニメ嫌い」という中野翠ですら★4つをつけており、他の3人は★5つ。
顔つき、体つきの描き方が極端にデフォルメされているとはいえ、この芸術品を「グロテスク」にしか感じられないとは悲しいおかまですね。
しかしおすぎのことをビートたけしが批判していたが、顔の系統は一緒だ。
椎名誠、糸井重里など粗雑な知性の文化人に共通するアウストラロピテクス・フェイス。
たけしはロッキング・オン社から本を出したようだが年をとっても幼児性の抜けない男にロッキング・オンはぴったり。

Triplets of Belleville
Original Soundtrack
Higher Octave

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