湘南徒然草

湘南に生まれ、育ち、この土地を愛し、家庭を持ち、子育てに追われ、重税に耐える一人の男の呟き。

曾野綾子、老いたり!

2016-03-14 19:11:06 | Weblog
第二次大戦の末期
沖縄の渡嘉敷島で住民の集団自決がありました
これが、軍の命令によるものだと
伝聞を元に厳しく弾劾したのは
後にノーベル賞を受賞する作家の大江健三郎です

この事件を独自に取材し
軍命令による集団自決ではなかったと主張したのが
作家の曾野綾子です

独自取材により、定説を覆した曾野と
作り話に乗せられ、人を平然と糾弾し傷付けた大江と
二人の作家の好対照な在り方に、私は強い印象を持ちました
当然ながら私は
赤松大尉のえん罪を晴らした曾野を大変尊敬したのでした

しかし、今回の口ぶりはひどい
どう見ても、独自取材などせずに
一方的に、学校側の言い分を元に、死者をむち打っています

しかも、何を思ったか
万引き行為に対する批判まで延々と語っています
その忌むべき万引き行為をしたと疑われたからこそ
少年は死を選んだというのに!

学校や教師は、自分達の間違いを認めたがらないものです
そして、間違いが発覚しても、これを誤魔化そうとし
いよいよ隠しきれなくなった時でも
様々な言い逃れを用意するのです

曾野綾子は

”えん罪をその場で晴らす”

などと言っていますが
えん罪は、その場では晴らせません
えん罪を晴らすのは大変な苦労がいるのです
そのことは曾野綾子自身が、一番よく知っているはずです

何年も前の、自分の身に覚えの無い行為を
やってないことを証明するというのは、至難の業なのです
記録は勿論、記憶も残っていないからです
反論を試みても、わずかな事実の違いを指摘されて

「だからお前は嘘をついている!」

・・・などと、平然と決めつけられるのです

曾野綾子、老いたり!

私は、そう思います
不幸な中学生をここまで糾弾するなら
せめて独自取材を敢行してからにすべきでした
一方的に加害者側の言い分に従うべきではありませんでした

曾野と仲の良かった上坂冬子は、優れた女性評論家でした
私は尊敬していました
しかし、最晩年には、新聞に粗雑なコラムを書いていました
私は、そこに、彼女の老いを見ました


コメント
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