無意識日記
宇多田光 word:i_
 



朝も早よから4時5時に@Billboard_Japanアカウントが大量にXポスト。何があったと思ったら上半期の総括でした。もうそんな季節か。集計期間が2003.11.27〜2024.5.26と。なるほどね。

で、その数ある各部門の中で宇多田ヒカルの『SCIENCE FICTION』は「ダウンロード・アルバム」チャートで見事第1位を獲得している。
https://x.com/billboard_japan/status/1798807195406270616?s=46
https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/138416

また、「アルバム・セールス・チャート」でも第5位。
https://x.com/billboard_japan/status/1798807070264717463?s=46

そして「総合アルバム・チャート」では第3位だ。
https://x.com/billboard_japan/status/1798807071661707374?s=46

見事なのはもう間違い無いが、だからといってここで「おめでとう!」と無邪気に喜ぶのはSNS上での事にしておこうかな。というのも、これって「当選倍率が上がると信じて大量購入したのに全くそんなことはなかったぜ」という、言わば死屍累々の上に築かれたチャート結果だからね。

いやね、おそらくそんなのは全体の売上からみたら微々たるもんなんですよ。何十枚も買う人が何百何千も居るとは思えない。でもこれは「誠実な商いをしたかどうか」の話であって、全体の割合はそこまで問題じゃないだろう。極論すれば、一件でも相手を騙して儲けた事例が見つかれば、信用は毀損されるもんだよね。

前も指摘した通り、複数枚商法は、買う方にはちゃんと沢山買ったら買っただけのメリットがあるのだ。それが嫌われるのは、音楽の流行の目安として扱われてきたチャートを荒らしたり、またそれによって、普通に売ってる音楽への接触機会を過剰に減らしたりといった副次的な効果ゆえ。だが今回の『SCIENCE FICTION』はそうではない。最初の買わせ方から問題だった。

これまた強調しておくが、法的には問題がない(少なくとも日本国内では)。相手を騙そうという気満々の回答を寄越してはいるものの、直接嘘をついて騙してはいないからね。なのでこれはあクマでも道義的な、いわば「気分の問題」でしかない。でも音楽って気分が良くなる為に買ってたりするからね。文句出るよねぇ。

てなわけなので、あたしも公式アカウントにリプライするなら素直に「おめでとう!凄いですね!」と明るく称えるかもしれないが、こうして個人ブログでは忌憚無く記しておくことでバランスをとっておこう。波風を立てたいわけではなく、次から改善してねということだ。快挙は快挙だからね。まぁ、「人様を騙して買わせて明日食う飯は美味いのか?」と、誰かさんのモノマネをしながら問うておくことに留めておきましょうか。

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チケット当たってるくせにまだ何かツアーに向けて前向きになりきれてない私。ネガティブな理由とポジティブな理由がある。

ネガな理由。そりゃもうチケット販売がゴタゴタしてるから。本日正午から追加席販売抽選応募が始まっているけれど、今度こそうまく行き渡って欲しいなと。


ポジな理由。ヒカルがやたらと頑張ったせいなんだけど、アルバム『SCIENCE FICTION』が楽し過ぎて…! 更にこないだSACRéが追い打ちをかけてきやがった。トドメの一撃みたいなもんでしたよこの曲は! つまり、「もうちょいこのアルバム+1曲を聴き込みたいからツアーをもうちょっと後に…」みたいな気分になっているのだ今の私。いやマヂで。

18年前の『UTADA UNITED 2006』を思い出す。この時はオリジナル・アルバム『ULTRA BLUE』が6月19日に発売されて、ツアーが始まったのが7月1日。まさに間髪入れずに…というか、そもそもがアルバムとツアーが同時という感覚に近かった。ツアーブログの名前も『ULTRA BLUE UNITED BLOG』っていうアルバムとツアーの名前を合体させたものだったしな。それに、実際ツアーが始まると、その『ULTRA BLUE』から選曲されたのは『This Is Love』、『Keep Tryin'』、『誰かの願いが叶うころ』、『COLORS』、『Be My Last』、『Passion』の6曲で、いずれも先行シングルとして馴染み深い曲ばかりだった。直近に配信された『This Is Love』さえ覚えていけば十分だったのだ。

さて、これが今回の『SCIENCE FICTION TOUR 2024』ではどうなるか? いや直近の新曲なんて『Electricity』だけじゃん他の曲はどれも馴染み深いから全然大丈夫なんじゃ?と思いかけるとこれがさにあらず。考えてもみよう、さて『traveling』は、オリジナルとRe-Recordingのどちらのバージョンで演奏される? 我々はどっちを期待する? 『Can You Keep A Secret?』が歌われるとして、エンディングのアレンジはオリジナルに沿う?それとも2024 Mixに準拠する? はたまたもしやそのどちらでもないライブアレンジが生まれる?

そうなのだ、リレコーディングとリミックスとリマスターのお陰で、既存曲についての、こちらの耳の整理が必要になってくるのだ。もしかしたら今の時期(発売から2ヶ月が経とうとしているところ)、『SCIENCE FICTION』の収録曲について、「そろそろ元のバージョンも聴き直してみるか」と思い始めてる人も在るかもわからない。今の私がまさにそれで、SFツアーにおいて演奏される曲について、それに直に生で遭遇した際に

①オリジナル・バージョン
②2024バージョン(Re-Recording/Remix/Remaster)
③ SFツアー・オリジナル・バージョン

のいずれであるのか、ちゃんと即時に反応出来るようにしておきたいのだ私ゃ。でないと、観た後に感想が必ずや混乱する…! その夜何を観て何が聴けたかを後から反芻して楽しむ為に、そして何より、その瞬間を思い切り楽しんで没頭する為に! 今回の予習は、かなりハードなものになりそうなのよね。だから結構時間が必要なのです。嗚呼、もう初日まで5週間てとこか。結構頑張って予習していきますですよ、ハイ。

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18年前の全国ツアー『UTADA UNITED 2006』は7月1日から開始で、そのツアーブログがスタートしたのは今日6月6日だった。今年の『SCIENCE FICTION TOUR 2024』は約2週間後の7月13日からだから、仮に同じようにツアーブログが始まるとすればこれまたここから2週間ほど後になるのかな。
https://blog.goo.ne.jp/ultrablueunited

当時はTwitterがなかったから、ツアーの反応は基本的にこのツアーブログへと集まった。今見返すとなかなかに楽しい。

今はその Twitter/Xがあるから、ツアーの感想はハッシュタグに集中するだろう。また、当時と異なり写真や動画をシェアすることも可能だ(例の公式同士の記述の齟齬は今は置くとして)。だが、同じようにこうやって何年も後になってから振り返る事が出来るかどうかは未知数だ。togetter やtwilog だってTwitterありきだからな。全部スクショするわけにもいくまい。

18年前のブログも、アップロードされた動画が現在は閲覧出来ないなど不備はある。だが全体を見ると、送り手側と受け手側、双方のリアルタイムでの感想が今も読めるのは非常に有り難いし興味深い。更に途中にはヒカルの即席インタビューまで掲載されたりしていた。
https://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary/e/85bc11337cf9a71e5f0ef9d09e8407e3/?st=1

これくらいフットワーク軽く様々な事が出来るんなら、またこうやって公式ツアーブログに取り組んでくれてもいいかもしれない。今現在宇多田ヒカル公式はTwitter/Instagram/TikTok/bilibili/stationheadなどなど、外部サービスのアカウントを種々持っているが、これらのサービスがいつまであるかはわからない。それを言ったら上記のウタユナツアーブログも外部サービスなのだが、gooはNTTが運営してるので、たとえ総務省が解体されようとも大丈夫なくらいには頑健だ。たまたまだけど、私も現在このようにしてその頑健さに乗っからせて貰って書いている。

頑健だからって安泰とは限らないけどね。Yahoo!がGeocitiesを切り捨てたのはまだまだ記憶に新しいし。

他方、余談になるが、Google検索はやはり日に日に使い勝手が悪くなり、個人サイトに辿り着くのはなかなかに絶望的だ。Twitterで個人ブログの管理者のアカウントを探してから行く方が早い。それでもやはり余計な手間は掛かる。閑話休題。

SONYがどれだけ巨大な企業だろうと営利活動であれば「ファンが十数年後に閲覧するかもしれないから」という基準で今現在何かに取り組むのは馬鹿げてるように映るかもしれないが、さにあらず。こちらからみれば、「我々は何十年経とうとこのアーティストと活動していくつもりでありますよ」というステートメント/メッセージを“たった今”発信することは、信頼構築のアピールとして非常に大きなものと考えるからだ。腰掛けで利益だけくすねとってすぐさまトンズラするスタッフを応援してもらえると考えるのは、それこそ馬鹿げている。今現在の時点で楽しみな未来を見せる事が、たった今「どのアーティストを応援していくか」の選択判断基準の一つとなるだろうから、ね。なのでツアーブログ設立、少し考えてみて下さいね宇多田公式スタッフの皆さん。

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↑遂にこのタイトルで日記を書く日が来たか!

…というほど大袈裟な内容でもないのだけどね。『Electricity』の編曲面の話です。


『Electricity』は、俗に四つ打ちと呼ばれる『traveling』や『Goodbye Happiness』や『BADモード』のような4拍子をベースにして16ビートをまぶした宇多田ヒカル王道のリズムで楽曲が進行する。だがサビに入ると木管楽器群(サックスやフルート)がこれでもかと三連符を連ねてくれるのが大きな特徴だ。16ビートが四つ刻む間に三つ刻むので、ビートとメロディの拍が合う回数は普段の4分の1に減る。この二つの重ね合わせによって楽曲には独特の浮遊感が生まれる、という話は前にした。

(挿話的に付け加えておくと、異なるリズムを重ねた時に浮遊感が生じるのは、スネアドラムやバスドラムといった低音の効いたリズムキープと同時に奏で“ない”音が低音部の確りした支えを失って「寄る辺無く」「足元が無いかのように」響くからだ。拍に合わない音符が地に足をつけることができなくて文字通り“浮いちゃう”わけです、ハイ。)

これと逆の事を、ヒカルは昔の曲でしている。…そうか、もう「昔の曲」と言えるのか『誓い』は! だって6年も経ってるんだもんなぁ。

『誓い』という曲は基本的には8分の6拍子に基づいた楽曲で、これは手拍子を打つなら三拍子になるリズムだ(二拍子の場合もあるけどね)。「いち・に・さん、いち・に・さん」だね。んで、中間部でやや唐突に

『たまにこ・らえられ・なくなる・なみだに』

という風に、4×4=16の音符で構成されたパートを挟んで来るのが独特だった。

これ、『Electricty』と真逆の事をしてるのよ。『Electricity』では4つ打つ間に3つの音符のメロディを奏でることで浮遊感或いは“少し不思議”感を醸し出していたのだが、『誓い』では逆に3つ打つ間に4つの音符のメロディを奏でることで、それまでの跳ね回るようなリズムから、まるで沈み込むかのようなリズム感に移行している。或いは、前のめりな情緒主体だった楽想の中に落ち着いて冷静で一歩引いた視点を取り入れた、という言い方も出来るかな。

まとめるとこう。

・16ビートに3連符を載せて浮遊感を出した『Electricity』
・3拍子のビートに16分音符を連ねて沈み込む感触を出した『誓い』

いわば、同じ効果の裏と表だ。異なるリズムとメロディを組み合わせる事で、上に浮いたり下に沈んだりする感じをリスナーに与える事に各々成功している。

もしこのエントリを読む前から「『Electricity』って、ちょっと『誓い』に近い雰囲気があるな?」と思っていた人が居るならかなり鋭い。あたしゃ今回理屈から切り込めたけど、これをフィーリングで気づくならなかなかに熱心な宇多田リスナーだと言えそうだ。ぐっちょぶでありますよ!

…うむ、よし! 「昔の曲」という形容が違和感なくなるくらいになって、やっと「『誓い』に近い」話が出来たぞ! よかった!(何がだよ(笑)) 次は「『残り香』の残り香のする曲」がリリースされる日を待とうかな…(それはそのまんまやん)。

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今朝のNHK第1「マイあさ!」の特集は「東日本大震災の日2011年3月11日が誕生日の子どもたち」。なるほど彼らももう13歳、早生まれになるから中学2年生? 大きくなったもんだね。

つまりは、その東日本大地震にインスパイアされた面も大いにある『桜流し』で歌われた

『あなたが守った街のどこかで
今日も響く健やかな産声』

がきっちりと『私たちの続きの足音』へと繋がっているという話。こういう特集はいいね。心から感慨深い。


だがその『桜流し』、皆さんご存知の通り『SCIENCE FICTION』には収録されていない。「宇多田ヒカルのベスト・アルバムに『桜流し』が収録されていない」と言われたら「何考えてるんだ!?」となる私。とはいえ、それと『SCIENCE FICTION』の出来映えの素晴らしさは別の話よね。両立する。ここらへんも、同作をベスト・アルバムとはあんまり呼ばなくていい理由だったりもします。

でも言われてみれば、SFアルバムには、『桜流し』をはじめとしたヒカルの「重めの曲」が、あんまり収録されていないわね。

『Never Let Go』
『FINAL DISTANCE』
『Deep River』
『A.S.A.P.』
『誰かの願いが叶うころ』
『海路』
『Be My Last』
『テイク5』
『嵐の女神』
『俺の彼女』
『真夏の通り雨』
『夕凪』
『嫉妬されるべき人生』
『気分じゃないの(Not In The Mood)』

この辺りの楽曲だね。特に、ヒカルのディスコグラフィーの中ではかなり重めの方な『ULTRA BLUE』からは『COLORS』1曲のみしか採用されてないからね。『SCIENCE FICTION』は、そういった重いとか暗いとかの作風から少し距離があるといえるか。

確かに、最新曲が落ち着いた躍動感溢れる『Electricity』だもんな。他にも、シングルとしてリリースされているのは『Somewhere Near Marseilles ーマルセイユ辺りー (Sci-Fi Edit)』『Automatic (2024 Mix)』『traveling (Re-Recording)』といったラインナップだし、イケイケモード側に少し寄ってる。

これが、ライブの選曲にどう響くか。前も書いた通り『桜流し』を歌わないと「エヴァ曲コンプ」は出来なくなるし、それは『Passion』を欠く「キンハ曲コンプ」案も同様。かといって、SFアルバムからの曲ですら全曲は厳しいのに収録外の曲を歌うとなると、と色々と悩ましい。

アルバム『BADモード』からの流れでダンサブルな方に傾くのはわかるし、アーティストとしての「気分の流れ」は是非大切にして欲しいので今回のツアーはこれでいいけれど、長い目でみたときに、『桜流し』に代表される重めの楽曲たちもまた、どこかで歌ってくれたらなと思わずにはいられませんでしたとさ。こういうのは周期だったりもするので、また機会が来ることを祈ってます。…いや、まだ『SCIENCE FICTION TOUR 2024』のセットリストがどうなるかなんて、誰にもわかんないんだけどね!?

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昨日17時付で?『SCIENCE FICTION TOUR 2024』のチケットリセールと追加販売のお知らせが来た。開幕まで後7週間余りでこのお知らせが来たということは、ひとまずこれでチケット入手方法が出揃った、のかな? つまり、U-NEXT/綾鷹/追加/リセールの四つ? まだ直前に招待席などあるかもしれないが、割合としては小さいか。


まず、リセールについて。「詳細決定!」と謳いながらその実その詳細については「後日ご案内」ということで若干肩透かし気味。「日程発表」ですね、今回は。基本的には

「各公演日の2週間前にリセール手続き開始、1週間前に〆切。」

という流れ。これだと大雑把な表現なので、各自が目指す公演ごとに確認する事をお勧めします。現時点では他にできる事もない。その「後日ご案内」が来るまで静観だね。


次に、追加販売チケットについて。キャンセルの中に「不正申込分」が含まれているそうな。字面だと不正転売分かなと思うが、チケット分配前に特定できる数は少なかろうな。登録情報の不備等のケースも含んでるのかもしれないわね。

機材開放席という呼び方は方便みたいなもので、要はチケットの売れ行きに沿った微調整用の分のことだ。売れ行きが悪いと色々と見栄を張る必要があるのでね。SFツアーの場合、公演毎の当選倍率に格差があったりするだろうし、プレミアムとレギュラーの振り分けも一筋縄ではいかなかろうからまぁ必要といえば必要か。あと、これから当選する人は見切れ席を覚悟してねというサインでもあるけれど、これに関しては他のアーティストでも色々問題が起きているので、なんとかそういうのは回避して欲しいとこ。


他に気になる点といえば、

「チケットが当選された方でも(略)お申し込みいただけます」

とある。前回と同じ轍を踏むなら、「申し込みは出来るけど当選するとは言ってないよ」といったとこか。形式的な記述だろうね。シリアル応募の海外勢みたいなことになるかもしれない。これも様子見か。

なお、当選した方としては仲間にゲットしてもらいたくて落選分のシリアルを譲渡したいとこだったのだけど、

「ベストアルバム購入者対象でお申し込みいただいた時と同一のアカウント情報・シリアルコードでお申込み下さい。」

という記述があるから譲渡は無効だね。残念。

以上を踏まえると、「既に当選してる人は追加販売は放置」が基本路線で、僅かな可能性に賭けるなら応募は手間だけの問題なのでどうぞご自由にといったところか。

なんであれ、キャンセル分と機材席の実数がどれくらいかなんてこちらはわからないので、何だったら綾鷹枠の方が当選確率が高いまであるかもしれない。なかなかメンタルが保たないなぁこれ。今度はクレームの嵐に、どうかなりませんように。(祈)

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『Electricity』の魅力は多岐に渡るが、ひとつこれは発明だなと思ったのはやはり

『Electricity かなにか』

の『かなにか』だろう。英語にすると“or something (like that)"かなにかになるだろうかな。

音がいい。「カナニカ」というリズムとメロディ。「か、なに・か」という自然な日本語がゲシュタルト崩壊してカナリアとかカタリナとかピアニカとかカナガワみたいなカタカナ語に聞こえてくる。でも、ふと我に帰れば「か、何か」にちゃんと戻れる。絶妙な匙加減。

宇多田ヒカルといえばデビューして一言目が『な・なかいめのべ・るでじゅわ』だったのでこればかりが取り上げられがちだが、25年経ってこの手の手法がますます巧みに、多義的に組み上げられるようになっている。そもそもタイトルの『Electricity』からして

『E・e・e・e / le・e・e・e /
ct・ri・ci・ty/ka ・na・ni・ka』

という風に、英単語も日本語同様分解して繋ぎ直してメロディとリズムに載せている。ここのキャッチーさったら、ない。脳内エンドレス・リピート病に何度罹った事かわからない。完全に中毒症状にさせられた。

恐らく、このリフレイン、音が先にあって言葉が後から付け加えられているのだと思われる。『Electricity』の部分はメロディと言葉が同時だったかもしれないが、『かなにか』については、後から言葉を載せた気がするよ。

もし、仮にそうだとすると、仮歌の段階では英単語が何か載っていたと想像するのはそこまで強引ではない。ヒカルが仮の歌詞を載せる時に、日本語の歌でも英語でまず載せてみるというのはよくありそうなことだ。『Prisoner Of Love』や『Time』などは英語で歌詞を書いたはずなのにそちらはお蔵入りになって日本語バージョンの方だけリリースされてる訳で、結果的には「仮歌を英語で歌って、完パケ時には日本語で」ということになっている。『Electricity』もそれに近かったんじゃないかな。

で、戯れに『かなにか』の所に当て嵌まるような単語が何か無いかなと思いを巡らせていたら、あぁ、これが一番近いかなと思えるのがあった。"canonical"(カノニカル)だ。これならピッタリ「カナニカ」にハマるのよね。

結構聞き慣れない単語かもしれない。でもこれ、日本語に訳すとすれば「正準」かなにかになるんだよね。そう、先週このブログの「清純より正準」で出てきた「正準」だわね。

といってはみたものの、ヒカルがサラッとこのあんまり見ない単語を歌うかというとなぁ…ああ、そういや音楽用語には「カノン(canon)」というのがあるな。「パッヘルベルのカノン」で有名なあの「カノン」。これの形容詞形が「カノニカル」だね。でもま、ヒカルが普段使ってるかというと、疑わしい。

これでもし『Electricity』という楽曲がそのカノン形式であれば面白かったけど、全然そんなことはなかったぜ。カノン形式というのはくだけていえば輪唱で、日本だと「かえるのがっしょう(かえるの歌)」が有名だわね。同じメロディがあとから遅れて次々とついてくるやつね。『Electricity』は、そうじゃなかった。

もしかしたらヒカルさん、アインシュタインだ量子力学だという単語を発してるからには、数学や物理学の本も読んでいてそこでcanonicalという単語に出逢ってるかも(この手の本は日本語より英語の方がわかりやすい)とも思ったが、この単語は読み物には余り出てこない。教科書読んでないとな。なので、この可能性も薄いか。

てことで邪推の域は出ないんだけど、しかし、『Electricity かなにか』の部分を『Electricity Canonical 』って歌うとホントによくハマるんだよね。その後の歌詞まで繋げると

『Electricity (is) canonical between us』

となって、これをGoogle先生に翻訳してもらうと

「私たちの間の正規の電気」

或いはisを補って

「電気は私たちの間で正規のものです」

っていう風な意味になるのよねぇ。正規のものってのはよくわかんないけど、電気が走って僕らの間の見通しが良くなる、みたいな意味にも取れるわな。でも"canonical"以外の候補だと"chronically"とか"a carnival"とか"cannot leak out"とか…うーん、難しい。もう折角なので、『Face My Fears』みたいにEnglish Versionをリリースしてくんないかね『Electricity』も。そうすりゃこのもどかしさかなにかもうまく晴れそうな気がするよ。

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伊藤忠CM報告、見ないねぇ。この様子だと、コンサートチケットの伊藤忠枠はないのかしら。中の人たちには分配されるのかもしれないけど、出来ればSNSには書かないで欲しいもんだ。行く前なら普通に当たった事にしておけばいいし、行った後なら行ってきましたとだけ書けばいいし。

本来なら、ウェブなんて言いたいことを言える空間であって欲しい人間なので、こういう「お願い感情」を書いて載せるのは嫌なんだけどね。そもそもがコンサートチケットのソールドアウトってもんにいい印象を持ってない人間なので、今の状況自体が受け容れられてない面もあり。需要過多ってことなら、トイレットペーパー買い占めでスーパーの棚がカラになってるのにイメージとしては近いんだけど、うむ、比喩としてはそんなに適切じゃないわね。

そして伊藤忠CMに起用された『Electricty』は、空気に。この場合の空気は「なくてはならないもの」であると同時に「あるのに気にかけてもらえない」という意味も含み。何とも勿体無い。起用から2ヶ月。これなら、そう、他のタイアップを貰ってきた方がいいのではない?

宇多田ヒカルのダブル・タイアップには前例がある。『あなた』よね。一応は映画「DESTINY 鎌倉ものがたり」のエンディング・テーマ曲として提供されたものだけど、どちらかというと全体の認知の中ではソニーの「ノイキャン・ワイヤレス」のCMソングとして知られてる割合の方が多いかもしれない。

ただ、その『あなた』の時は…Wikipediaによると、映画の公開日が2017年12月9日、CM放映開始が同年12月2日ということだからほぼ同時期、なんだったらCMの方が1週間早かった。これくらいなら「同時にタイアップ」って言える。一方で、流石にこれから『Electricity』が2ヶ月以上ズレてダブルタイアップを謳うのは結構無理がありそう。これだけズレると、「なんだこないだの曲じゃないか、新鮮味がないよ」ってなるからね。困ったものだ。

理屈だけでいえば、例えば『First Love』は「魔女の条件」と「First Love 初恋」の2つのドラマで23年ズレてダブルタイアップだったという言い方も出来なくはないけれど、これまた流石に実感にはそぐわないわよね。

だなんて言ってても、「前例がなければ作ればいいじゃない」と、マリー・アントワネットの「パンが無ければケーキを食べればいいじゃやい」の口調で言い放つのもまた可能よね。過去のことは気にせず、『Electricity』をどんどん取り上げていって欲しい所。アルバムを聴いていても、ツアーのテーマソングに相応しいのはやっぱりこれ。6月に入り、最終日からみても残り3ヶ月を切ったのだし、いよいよツアー自体のプレゼンスを高めていく時にこの曲の存在感は不可欠。どう展開させていってくれるか、レーベルの皆さんには期待してますよ。もちろん、伊藤忠さんがリブートかけてくれてもいいんだけどっ。

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