無意識日記
宇多田光 word:i_
 



前回「人」としつこく書いたが、ヒカルが他人様のラジオ番組にゲスト出演して自分の曲をかけて貰わなかった回は極めてレアなのではないか。普通挨拶代わりに『ともだち』くらいかけるっしょ。ダヌパの選曲(?)したサンダーキャットとサンファってのもまた。ある意味、ここまでゲストとして"軽く"扱われたのが初めてだろう。

ヒカルのメディア出演は、特に地上波テレビ出演は1999年当時誇張無しに"事件"だった。登場する番組の大半で、その番組の歴代最高視聴率を更新したのだ。金メダルを4つや5つ獲った程度ではこんな数字は叩き出せない。総てが規格外の注目度で、Hey!x3に出た時に松本人志が「へー、、、煎餅とか食べるんや、、、。」とコメントした、といえば伝わるだろうか。そんな事すらするかしないかわからない位に神格化・神秘化されたのが18年前の宇多田ヒカルだった。「ほら、ミステリアスなヒカルが来るよ!(笑)」とご学友の皆さんに囃し立てられる筈である。

今や、隔世の感。というのすら飛び越えて今回「MUSIC HUB」に、ノンプレッシャーで出演し…いや、遊びに来ている。タメ口を貫き通す0296君をみて(聞いて、だけど)18年前の「宇多田ヒカルのタメ口は是か非か」論争を思い出した人も居たかもしれない。

当時を知らない人には信じられないかもしれないが、ヒカルがテレビ地上波に初出演した時の馴れ馴れしいタメ口が論争の的になったのだ。『Addicted To You』をリリースした時なんぞ日本中で「宇多田ヒカルのメイクと髪型が変わった!」と話題になったのである。オーバーに言っているのではない。本当なのだ。まさに一挙手一投足に総ての注目が集まった。もし当時Twitterがあったら、今の感覚でいえば100万RTくらいの"国民的関心時"だったのだ、宇多田さんは。

それが今や飲んだくれてざっくばらんに語っている。井上陽水や桑田佳祐といった邦楽市場のディケイド・レジェンズがヒカルを尊敬の眼差しで―もう殆ど「宇多田ヒカルさま」と呼びかねないほどに敬い、一目置いている中で、年下の0296くんが臆する事なく友達感覚で接してくれている。15歳のヒカルはそのタメ口で世間を賑わせたが、34歳になった今、年下の男の子の口調が(極々一部で)話題になっているのだから…いやぁ、長生きはするもんですな。

という訳で、どこからみても初尽くしというか、レア度満点なのが今回の3週連続ラジオ出演なのである。ここまで"ぞんざいに"扱われると、いやぁ、嬉しいもんだねぇ。今夜の回ではヒカルが天然ボケを食らわして小袋くんに激しくツッコミを入れられる場面を是非オンエアしてほしい。そんなんあるんかしりまへんのやが。

さぁオンエアはもうすぐデス。リアタイ組は寝落ちしてしまわぬよう。タイムフリー組はおやすみまた明日っ!

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『人魚』の話の続きを…ってあーもうラジオの出演が今夜か。事前に「酔いどれ放送」と告知されて俄然俄かに期待が高まったが果たして聴いてみた結果更に次の放送が楽しみになるという好循環。これ今夜は先週よりリアルタイムで聴く人増えるかもね。でも今週と来週で終わり。何とも勿体無い。「毎週やれ」という声が聞こえてくるようだ。(自分から)

あれだけ丁寧に作り込まれた『Kuma Power Hour』より反響がよかったらどうしよう、と要らぬ心配もするけれど、世の中そんなもんである。ニーズに合致するかが重要であって、どれだけエラボレイトでも要らないものは選ばれない。コロコロ変わっていく(曲毎に)音楽性自体のファンになるのは極めて難しいので宇多田ヒカルという「人」を好まなくては継続的にファンで居続けるのは難しい。

曲毎のファンはそりゃあ沢山居る。現役のミリオンヒット・アーティストなんですからね。なので、CDは売れるけれども宇多田ヒカルという「人」は、多くの人にとってただの有名人である(超有名人、かな)。SMAPや嵐はCDやDVDをヒカルより売っているが、心に残る名曲が幾つかあっても、彼らの個々の名やグループの名前の方が遥かにデカい。「人」が主役だ。言うまでもない。

ヒカルは、本来なら、音楽の壁に囲わせて自分は見えない場所に居た方が、よかったのかもしれない。しかし現実にはそうではない。「人」に惹かれて居着いている人間が何人も居る。多くはないけれど。

ラジオのゲスト出演を通してファンの方がそれを再確認をするというのも、一言で言えば「間が悪い」。しかしまぁ、ないよりは遥かにいい。今やもう、ヒカルも総てひっくるめて「そういうことでしょ」と割り切っている節がある。今更それがいい悪いとか言い出すのもマイトレンドじゃない、と。そうだろうかなぁ。

まぁいっか。肩肘張らずに楽しむ事にしよう。それをみてヒカルが何をどう感じて次の行動に移るのかは、こちらから何を言ったって決まる事ではないわ。きっと、ほどほどに斟酌してくれるでしょ。

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