ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

マサムラの焼きそば@柳ヶ瀬商店街

2020年02月11日 | 旅で出会った食メモ
柳ヶ瀬商店街の日ノ出町通りを歩いていて、思わずギョッとして立ち止まる。まるで屋台の露店のように店頭に据えられた鉄板で、焼きそばがジャンジャン焼かれては皿に盛られ、暖簾をくぐり店内へと運ばれていく。イベントなどで店から出して置いたのではなく、ここが常設で店の調理場。創業70年ほどの老舗「マサムラ」のこの店頭パフォーマンスは、柳ヶ瀬商店街の名物のひとつである。

細長い店内の奥に座り、シンプルな焼きそば460円を注文。平打ち太麺でキャベツがたくさん入り、ほどほど肉も混じっている。ホテルでの修業経験もあるご主人のソースは、色の割には味が控えめで、食べ飽きない和テイストな焼きそばだ。なので卓のソースとマヨネーズを足し、皿に添えた福神漬けと一緒にいけば、なじみなやきそばの濃口な味になる。ボリュームがありそうだが数たぐりできれいに食べ進むのも、あっさり味のおかげかも。

品書きには定食との文字もあり、焼きそばになんとご飯と漬物付きで100円プラスになる。炭水化物ツートップだが確かにおかずに良さげで、おかわりはお好み焼きにするかこちらにするか迷うところ?

岐阜まちなかてくてくさんぽ6

2020年02月11日 | てくてくさんぽ・取材紀行
柳ヶ瀬商店街はかつて、全国有数の繁華街と称されたエリアである。平成に入ってから勢いが失われたが、近年若い人による新規参入が見られるなど、また少しずつ注目が高まっているという。いわば町のひと区画が丸ごと商店街なので、すべての通りを一通り歩いてみると、それなりに特徴がある。

最初に訪れた美殿町商店街は、歩道が整備されベンチが配されるなど、さんぽ向きの明るい雰囲気だ。店舗は漆陶器、呉服、話題のモナカ推しの和菓子屋など伝統系が並ぶ中、目当ては古本の「徒然舎」。専門書中心の品揃えながら、見やすく明るい店内で評判が高く、期待して来たがあいにく火曜は休みとのこと。外から店内のインテリアを覗き、交差点を渡って柳ヶ瀬本通りへ。「フローレンス柳ヶ瀬」との名が付いた広々したアーケードで、ここをメインに小道のアーケードが錯綜している。

北側の弥生町はクラブスナック街で、店名の行燈がアーケードの壁面に連なっている。映画館がある劇場通りにはレッドカーペットが敷かれ、引退するゆるきゃら「やなな」をファイナルコンサート仕立てに描いた宣伝幕が揺れる。レンガ通りには古道具屋風の占い屋に香や漆器の店が並び、シックな雰囲気。南端の銀天街にはプラモ塾に鉄道カフェのホビー系が並び、店頭で100円均一のリサイクル服を売るショップも。城下町の場所柄か和菓子の店が点在しており、中山道名物の五平餅にみたらしだんご、鬼まんじゅうなどの銘柄も見られた。

全体的には特に傾向は見られない、地元向けの商店街という印象かも。食品系や料理屋は地元客向けで、通りによってはシャッター街も見られるなど、ちょっと時代に取り残された感もある。とはいえ高島屋が中核店舗としてあるため人通りはそこそこあり、古い商店をリノベしたカフェやダイニングや雑貨など、洒落た店も埋もれ気味ながら見られる。通りとして気になったのは、中程の日ノ出町通りとサン日ノ出町界隈で、行列のダイニング「みつばち食堂」、トースト用ぜんざいのもとを売る和菓子屋「虎屋」、店頭に鉄板を据えて調理する焼きそば屋「マサムラ」、ご当地柳ヶ瀬ラーメンの案内など、寄ってみたい店がちらほら。

一巡したところで、私的に気になった店でお昼にいたしましょう。

岐阜まちなかてくてくさんぽ5

2020年02月11日 | てくてくさんぽ・取材紀行
水道山展望台から遊歩道を降りると、山麓の寺町に出た。大門町には真宗大谷派東別院浄土寺が、背後に伊奈波山を控えた大屋根の本堂を構えて目を引く。門前には芭蕉像と彩色の地蔵菩薩がある慈恩寺、天然記念物の大イチョウの圓龍寺と、ひとつひとつ見どころある小寺を覗いていくのも楽しそうだ。

先ほどの粕森公園に向かい金屋町の路地に入ると、うだつや格子の民家がかなり残っている。うだつの三軒長屋には麺類の「魚半」という店があり、昼時で惹かれるが今日はお休み。また近くには江戸の徳川幕府に長良川の鮎寿司を献上するために設けられた「御鮨街道」という道もが通っている。歩道に案内が示されており、所以を知らなければ沿道に寿司屋を探してしまいそうだ。

粕森公園付近に戻ったら、一転して商店街の散策にいきましょう。

岐阜まちなかてくてくさんぽ4

2020年02月11日 | てくてくさんぽ・取材紀行
粕森公園からは裏山の水道山まで遊歩道が延びており、大した距離ではないのでモーニング後の腹ごなしに登ってみた。取り付きの部分は結構急で、クヌギの林の中を息を切らしながら登ると、ところどころに「イノシシ出没注意!」の看板があり焦らされる。上り切ったところには立派な石垣が据えられており、岐阜城の遺構かと思いきや、かつてあった瑞龍寺の遺構と記されていた。現在の寺地は金華山の南山麓にあり、土岐氏や斎藤氏に由縁があるという。

ここからは緩い上りの玉石舗道になり、カシやソテツやカエデなどの木々の中を行く。道中ですれ違う地元の人がみんな、こんにちわと声をかけてくれるのがいい。時折鐘の音が響き、木々の間から下を見ると東別院とかの寺町の大屋根が覗けた。先を登ったところが展望台になっており、広い駐車場がありクルマで楽々来れるらしい。ちょうど南の尾根にあたり、展望は西〜南〜東と開けている。左右に横切る長良川越しに雪をかぶった伊吹連山が屹立し、柳ヶ瀬の繁華街から駅前のビル群、さらに木曽川沿いの138タワーまでがきれいに望めた。

そして振り返ると背後にそびえる金華山の峰に、小さく岐阜城の天守閣も見えた(右下写真の赤丸)ではないか。こちらは水道山で息切れとなり、あの天守を山麓の御殿から毎日1往復していた信長公の健脚に、改めて恐れ入る。ともあれこの程度の徒歩でこの絶景はありがたく、市街散策のオプションにはオススメだ。

では山を下り、街の中心街へと歩きましょう。

岐阜まちなかてくてくさんぽ3

2020年02月11日 | てくてくさんぽ・取材紀行
岐阜は以前、長良川の鵜飼と川原町を歩いたことがあるので、このたびは中心部をターゲットに。岐阜まちなかてくてくさんぽは、粕森公園からスタートしましょう。ここは岐阜城のある金華山の、ちょうど南端の山麓にあたるところで、ここから北と東に向けて山の端に寺院が集まっている。瑞龍寺、圓龍寺、浄土寺、東別院など大寺院もあるが、公園付近にある寺社をちょっとばかり巡ることに。

公園の名にもなっている粕森神社は、鳥居の横に「子どもの神様」とあるように家庭円満、学業成就にご利益がある。山腹の斜面の鬱蒼とした立地で、斜面には神が乗ってきた天馬が休んだとかの「駒爪岩」も見られるなど、ここから西はすぐに市街なのが信じられない静けさだ。

そして参道の左手には、その名も「岐阜信長神社」が鎮座。境内は信長が岐阜の楽市楽座を開いた場所とあり、まさに岐阜の商売発祥の地だ。名前と由緒にしては社はこぢんまりしており、緑ののぼりがなければそれと気づかなそうである。

天気もいいし、金華山に向けてちょっとだけ登ってみましょう。