岐阜の駅前に宿をとったため、繁華街の柳ヶ瀬に繰り出すのはやや億劫、とホテルを出ると、住田町界隈の繁華街も割と賑わっている。個室居酒屋や洋風バルや立ち飲み居酒屋など、それらしい店があるものの、いかにも大手のそれというのが透けて見えてくる。地方都市ならではの雰囲気に浸りたいところだが、そうした店は淘汰されこのように均質になってしまうのは、全国的に仕方ないところなのだろうか。
キャラの立った店を探し、駅前通りから玉宮通りへと入ったたすぐ、路地の2階に赤くぼんやり灯った店名の行燈にくたびれた店頭幕の店を見かけた。足が止まったのは興味、というより引いたのが正直なところだが、一期一会の予感もあり、雑居ビルの細く狭い階段を上ると、場末感あふれる典型的な町中華が構えていた。なぜか店内にあるサンプルケースには、枯れたような丼や麺の模造が並ぶ。ペタペタした床を歩きギシッと鳴る椅子に落ち着いたところで、客席で新聞を読んでいた親父さんが、ようやく腰をあげる。澱んで止まった空気が心地よく、この異世界感がなんとも言えない。
まずはビールと餃子で様子を伺うと、何故かスミっぽい見かけの小ぶりのが盛られてきた。片面は焦げる寸前のカリカリ感、グジュっとかじると割と肉が詰まっていて、ビールのアテには程よい。気を良くして主菜を頼もうと壁面を見れば、びっしり埋まるメニューがやけに達筆なのが気になってしまう。なぜかのカレーラーメンに並び店の推しである「味噌炒め」は、定食で830円。何の炒め物かは聞かずに頼み、冒険をちょっと楽しんでみたりして。
運ばれてきた大皿には、キャベツ、もやし、ピーマン、ニンジン、玉ネギ、タケノコの野菜類に、豚肉が入って相当ボリュームがある。野菜の鮮やかさが消し飛ぶほど味噌が加えられ、真っ茶色の見た目から味の濃さが伝わってくる。たっぷりの野菜をザクザク、ゴッテリの豚肉をガシガシやっていると、次第に白いご飯が欲しくなってしまう。
ガラガラの店内は21時を過ぎると、酔客がやってきてはほろ酔いセットや締め麺を頼んで賑わい始める。見た目によらず地元の御用達のようで、どこかで一杯ひっかけてから訪れたら、場末っぽいながら真価がより実感できた気もする、まあまあ当たりのローカル中華である。
キャラの立った店を探し、駅前通りから玉宮通りへと入ったたすぐ、路地の2階に赤くぼんやり灯った店名の行燈にくたびれた店頭幕の店を見かけた。足が止まったのは興味、というより引いたのが正直なところだが、一期一会の予感もあり、雑居ビルの細く狭い階段を上ると、場末感あふれる典型的な町中華が構えていた。なぜか店内にあるサンプルケースには、枯れたような丼や麺の模造が並ぶ。ペタペタした床を歩きギシッと鳴る椅子に落ち着いたところで、客席で新聞を読んでいた親父さんが、ようやく腰をあげる。澱んで止まった空気が心地よく、この異世界感がなんとも言えない。
まずはビールと餃子で様子を伺うと、何故かスミっぽい見かけの小ぶりのが盛られてきた。片面は焦げる寸前のカリカリ感、グジュっとかじると割と肉が詰まっていて、ビールのアテには程よい。気を良くして主菜を頼もうと壁面を見れば、びっしり埋まるメニューがやけに達筆なのが気になってしまう。なぜかのカレーラーメンに並び店の推しである「味噌炒め」は、定食で830円。何の炒め物かは聞かずに頼み、冒険をちょっと楽しんでみたりして。
運ばれてきた大皿には、キャベツ、もやし、ピーマン、ニンジン、玉ネギ、タケノコの野菜類に、豚肉が入って相当ボリュームがある。野菜の鮮やかさが消し飛ぶほど味噌が加えられ、真っ茶色の見た目から味の濃さが伝わってくる。たっぷりの野菜をザクザク、ゴッテリの豚肉をガシガシやっていると、次第に白いご飯が欲しくなってしまう。
ガラガラの店内は21時を過ぎると、酔客がやってきてはほろ酔いセットや締め麺を頼んで賑わい始める。見た目によらず地元の御用達のようで、どこかで一杯ひっかけてから訪れたら、場末っぽいながら真価がより実感できた気もする、まあまあ当たりのローカル中華である。