ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

高幡不動てくてくさんぽ1

2015年11月21日 | てくてくさんぽ・取材紀行
秋の高幡不動の参拝は、月例の写経会の参加が目的。写経は初の体験で般若心経の墨書にチャレンジである。広間に座り、墨を擦りながら心を穏やかに鎮めることから始まる。

まずは貫首さんの法話で、食事の前に唱える偈文「五観の偈」の説法から。食は命の伝承で、多くの者が関わり、それによら生かされていることへの感謝。食育の基本たる話に聞き入ったところで、写経へと入る。心経の口語を皆で唱えてからは、一同真剣に模写。凛とした空気感は、まるで修行道場らしいたたずまいだ。

方法は手本の経の上に和紙をのせてなぞるのだが、筆書きは久々なので滲んだり擦れたりと、なかなか達筆とはいかない。「礙」とか「耨」とか画数の多い字はほぼ潰れてしまったり、見慣れないから数画抜けてしまったり。一文字ごとに仏様が宿ってます、との前説を思い出し、申し訳ないことしきり。

最後に願い事を「家内安全」と記し、お祈りして提出。寺に納めてもらえるそうで、この後頂いた御朱印は本来の意味通り、納経の印となった。これからもたまにはしてみたいけど、せめて仏様が気持ちよくされるレベルに墨書できるよう、ちゃんと練習しておかねば。

開運そばの福よせそば@高幡不動

2015年11月21日 | 旅で出会った食メモ
高幡不動てくさんぽ、参拝前の昼ご飯は、門前の「開運そば」でいただいた。オーダーのの福よせそばは、エビ天にあげにおろしに山菜に玉子と多彩で、かまぼこの「開運」の焼印も目を引く。エビの赤に黄身の黄色が、華やかなラッキーカラーか。

そばめしのとろろご飯が、手頃な値段で嬉しいサイドオーダー。運気も上げてスタミナもつけ、アゲアゲで参拝行ってみましょう。

一献一品出会い酒@神楽坂

2015年11月21日 | ◆一献一品出合い酒
毘沙門天そばの路地にたたずむ「酒ト壽」にて、明鏡止水純米山田錦垂氷×焼きアナゴ。しもたやの居酒屋でらしい空気感に浸るなら、受け皿付きのグラスでなみなみ溢れる杯に、江戸前筆頭格のローカル魚をあわせての、このコンビが似合う。

遅れて駆けつけ坂を下り、路地へ分け入ればそこは昭和な居酒屋小路。店ではなさげな宅のガラス戸をガラリひけば、そこは酒浄土な別天地が揺蕩うごとくに展開している。駆けつけのホッピーを速攻片付け、本腰の盃はキリッと抜けるキレの酒に。姉さんが傾ける一升瓶の迫力にも、押されず受け止めツイッと含む。スッパリ潔い味わいに頭が切り替わったら、アナゴの尻尾をホクリ。宴の場の江戸湾から面々ゆかりの瀬戸内へ、東西のアナゴ処詣でに舌が舞い飛ぶ一期一会。

美酒と美酒肴に気を大きくもたされ、初心な若輩相手に人の在り方、社会人気質を説く男。そんな風に気を大きく持たせる我が良き友、良き仲間に囲まれて、いずれまたこの街で盃合わせ集いし日を楽しみに。一献一品の小さな酒宴、今宵も天下泰平なり。

岩手県西和賀町の夕べ

2015年11月20日 | 旅で出会った食メモ
岩手県西和賀町の夕べ、銀河高原ビールで乾杯後は、地場産食材を用いた料理の数々にて、その実力を計ることに。山と里の幸のメインは豊富な山菜で、思いの外多彩な料理法にすべて試さずにはいられない。

ザクザクのキャベツに、ミズの実の粘りが対照的な浅漬け。まる1本贅沢に使い、柔らかに仕上がった西わらび浸し。干しぜんまいと凍み豆腐がホッコリ優しく、身欠きニシンが京風惣菜な山菜煮物など。わらびはネットリと滑らかで、にぎりや巻き寿司のネタにもなる存在感がすごい。クレソン、シイタケ、ミズの実、里芋は、天ぷらのネタでも堂々たる主役。

また西和賀には個性的な料理や食材が多彩で、細めでシャキッとした寒ざらしそばに締まってて食べ応えある源助豆腐、さらにビスケットの天ぷらなんてのも。この日の推しは納豆汁で、味噌甘さと納豆甘さのバランスが絶妙だ。キノコや野菜もたっぷりと、まさに故郷を思い起こす味わい。会場であるヒルトンの料理長が作ったら、地元のおばちゃんにダメ出しを食らったそうで、素朴ながらこだわりの味らしい。

湯田牛乳公社のコーナーでは、殺菌温度とホモ・ノンホモの違いで、舌触りや濃さが異なる「利き牛乳」も体験した。これらの山菜や野菜、乳製品が、町のブランドとなっているのが、西和賀町のすごいところ。資源を掘り起こして活用する姿勢が、実に徹底されているのである。

宴の半ばには町の人々が壇上に上がり、それぞれの町への思いを語っていた。若い人は「自身のスキルを町の発展に活かせる」「自然や人のふれあいは、都会にはないもの」と、自身と町の可能性を感じている様子。年配の方も、若手の交流が活発なおかげで、仕事の技術や土地の文化を伝承できるのが嬉しいと語る。

元気で前向きな町の宴に混じったおかげで、自身の襟も正された思いがする。西和賀のために、自分のために、できることをやっていきましょう。

岩手県西和賀町の夕べ

2015年11月20日 | 旅で出会った食メモ
岩手県西和賀町の夕べ、オープニングは太鼓の音とともに、名調子に合わせたさんさ踊りを舞いつつの、町のおもてなし方の入場から。おや、どこかで見た方も踊ってるような。

開会に先立ち、細井町長から町の紹介を兼ねた挨拶があった。西和賀町は奥羽山脈の小さな町で、今は紅葉が終わり冬を待つばかり。雪深い地で積雪は平年2メートル、積もれば15メートルにもなるとか。そんな山里が六次産業を推進し、農産林産加工品を町おこしと観光進行に結びつける取り組みを行っている。

食と観光による活性化のキーワードは「共同と連携」。このパーティーもその一環で、地元の料理を味わい、そこで出会った方々の力も得て広く発信してもらうことを目的としているそうである。人との繋がりとそれによる相乗効果が、西和賀を前に進める力、と熱弁。「田舎者が自信を持つ町」との主催者側の言葉も、なかなか伊達ではない。