熊というのはリアルとフィクションで、極端に違ったイメージとなる不思議な動物である。リアルでは里に降り警戒されたりクマ牧場での事件など、獰猛に人を襲う恐怖の対象なのに、キャラクターになるとハチミツ大好きの子グマや、最近大人気のほっぺが赤い黒クマなど、どこかほのぼのキャラになってしまう。
最たるものがテディベアで、ネズミの国のお隣の海のテーマパークでは、女子がクマのぬいぐるみを抱っこして歩くのがデフォらしい。思い思いの服を着せ、自分と同じコーディネイトを決めている人もいたりと、まるで姉妹のよう。この国でクマといえば、件のハチミツ子グマのイメージだが、最近はネズミ君の彼女がつくったとの設定の、このテディベアが大人気だそうだ。
そこで昼食は、このクマのショーが売りのファーストフードレストラン『ケープコッド』へ。アメリカンスタイルのハンバーガーが売りらしく、自分は魚つながりでフィッシュバーガーセットとシーフードチャウダーを選んだ。ショーを見ながらいただくと、ニューイングランド風とあるチャウダーがおいしいこと。濃厚なクリームに分厚くゴロゴロのベーコン、そして丸々したアサリがいっぱいで、まさに食べるスープだ。
フィッシュバーガーは普通の白身魚バーガーで、町のファーストフードのよりもずんぐりと丸く、ボリューム感がある。パテの材料はかつてはスケトウダラが主流だったが、数が減ったため最近はホキという深海魚がメインという。実はそのホキも減ってるそうで、ファーストフードながら貴重な味になる日も近いかも。
近頃一部のチェーンで扱っている、サーモンバーガーでも供していれば「熊つながり」になるのに、などと思いながら、ネズミとアヒルとぬいぐるみ熊ののどかな掛け合いを観覧。まあ、おとぎの国のキャラ熊では、一撃必殺で大物キングサーモンを仕留める絵柄は、ちと想像できないか?