衝動的に夏休みをとったものの、行きたい場所もやりたいこともないまま、ぶらぶらとやって来たのは大船。撮影所と工場の街だけに、大衆食堂や庶民派飲み屋が目白押しだが、足はそのまま駅ビルのレストラン街へ。
ビール飲みたさに適当に飛び込んだ『Agio』がアタリで、三笠会館の流れを汲むカジュアルイタリアンだが、コースでなくても一品で飲めるのがうれしい。モルツのジョッキにやまと豚ソーセージ、自家製野菜のピクルス盛り合わせをチョイス。コクのある銘柄豚のソーセージに、素材の甘みを残した酢加減のピクルスが、暑さを爽快に吹っ飛ばす。
昼酒はダラダラ飲まず、1、2品で1、2杯が粋というか自制なのだが、居心地のよさに、追加の1セットを。ハウスワインの白に、北海道産ゆでじゃがいもを合わせてみた。食関連の本の夏の飲み物特集で、凍る直前まで冷やした貴腐ワインが最高、とあるのを見た。確かにキリキリに冷えたグラスワインは、生ビールと違った凛とした涼が、体の芯を突き抜ける。
このアテにゆでじゃがは粗野かと思いきや、アンチョビバターの魚旨さがそそること。道産で希少な、栗のようにねっとり甘い赤じゃがいもが珍しく、洗練されたじゃがバターといった感じ。
あてもなくぶらぶら流れてきたヴィラ風の異国空間で、午後の心地よい沈没へ。
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