東の鯖街道・若狭街道の京都側の終点の出町柳からは、国道367号線を北上。この道はかつての若狭街道に沿っており、八瀬から大原、難所の花折峠を経て宿場があった朽木と過ぎる。沿線の道の駅では生に焼き、サイズや作り手など様々な鯖寿司が扱われていて、道中のお楽しみながら目移りしてなかなか決められない。結局、次の熊川宿まで来てしまい、空腹が我慢ならずここでお昼ご飯に。ここは鯖街道の若狭国(福井県)側の拠点で、中条橋を越えた中ノ町付近に宿場らしい建物が集中している。
格子が美しい問屋「旧菱屋勢馬清兵衛家」まで往復すると、沿道に「鯖寿司」の品書きを掲げた店舗もちらほら。みやげ物屋兼食事処といった雰囲気で、観光客向けの名物として定着しているようだ。中条橋のたもとの「旧辺見勘兵衛家住宅」 を覗いてみたが、あいにく本日は完売とのこと。そこで中ほどで見かけた「まる志ん」にお邪魔した。黄色い漆喰壁に虫籠窓が、ベンガラと白壁の町並みの中では目立つ。建物は築170年を超える商家で、三和土の店の間から案内され、箪笥や火鉢など生活感あふれる調度が並ぶ奥の間へ。田舎の親戚の家へ招かれたような居心地の良さに、つい手足を伸ばして和んでしまう。
こちらも焼き鯖寿司は品切れで、生鯖寿司と葛うどんを合わせてみた。竹の皮に包まれて運ばれてきた鯖寿司は、皮目がピカピカに輝きいかにもうまそう。厚さ1センチ弱はある身に合わせて、酢飯のバランスもいい。ひと切れ丸ごと頬張ると、酢加減が穏やかでサバの味が際立つこと。押し加減も絶妙で、身が自然にほぐれ酢飯が穏やかにばらけていく。これぞ押し寿司の真骨頂、渾然一体となる口福だ。
かつては若狭湾岸の港で水揚げされていたサバだが、若狭のみならず国内の漁獲量は減少傾向に歯止めがかからず、京都や鯖街道沿道の鯖寿司もよそ物のサバを用いていることが多い。最近国内で流通が増えている、ノルウェー産のタイセイヨウサバも用いられ、脂ののりがよいとお客の評価も高いのだそう。そんな中、この店では国内産の生サバにこだわり、ご飯も福井産のコシヒカリを使用。青魚特有の身の旨味がしっかり楽しめ、あっさり食べやすいのがいい。脂ののりがほどほどな分、これが本来の鯖街道の鯖寿司の味に近いのかも知れない。
鯖寿司はごはんが押し締められていて量が多く、一人前3〜4つで充分のボリューム。名物の葛を用いたという葛うどんもスルリといただいて、すっかり満腹となった。この先、街道の起点である若狭へ出るか、琵琶湖岸へと下り西近江路で京に上るか。選択肢多彩な鯖街道の旅で、また新たなスタイルの鯖寿司との出会いも楽しみである。
格子が美しい問屋「旧菱屋勢馬清兵衛家」まで往復すると、沿道に「鯖寿司」の品書きを掲げた店舗もちらほら。みやげ物屋兼食事処といった雰囲気で、観光客向けの名物として定着しているようだ。中条橋のたもとの「旧辺見勘兵衛家住宅」 を覗いてみたが、あいにく本日は完売とのこと。そこで中ほどで見かけた「まる志ん」にお邪魔した。黄色い漆喰壁に虫籠窓が、ベンガラと白壁の町並みの中では目立つ。建物は築170年を超える商家で、三和土の店の間から案内され、箪笥や火鉢など生活感あふれる調度が並ぶ奥の間へ。田舎の親戚の家へ招かれたような居心地の良さに、つい手足を伸ばして和んでしまう。
こちらも焼き鯖寿司は品切れで、生鯖寿司と葛うどんを合わせてみた。竹の皮に包まれて運ばれてきた鯖寿司は、皮目がピカピカに輝きいかにもうまそう。厚さ1センチ弱はある身に合わせて、酢飯のバランスもいい。ひと切れ丸ごと頬張ると、酢加減が穏やかでサバの味が際立つこと。押し加減も絶妙で、身が自然にほぐれ酢飯が穏やかにばらけていく。これぞ押し寿司の真骨頂、渾然一体となる口福だ。
かつては若狭湾岸の港で水揚げされていたサバだが、若狭のみならず国内の漁獲量は減少傾向に歯止めがかからず、京都や鯖街道沿道の鯖寿司もよそ物のサバを用いていることが多い。最近国内で流通が増えている、ノルウェー産のタイセイヨウサバも用いられ、脂ののりがよいとお客の評価も高いのだそう。そんな中、この店では国内産の生サバにこだわり、ご飯も福井産のコシヒカリを使用。青魚特有の身の旨味がしっかり楽しめ、あっさり食べやすいのがいい。脂ののりがほどほどな分、これが本来の鯖街道の鯖寿司の味に近いのかも知れない。
鯖寿司はごはんが押し締められていて量が多く、一人前3〜4つで充分のボリューム。名物の葛を用いたという葛うどんもスルリといただいて、すっかり満腹となった。この先、街道の起点である若狭へ出るか、琵琶湖岸へと下り西近江路で京に上るか。選択肢多彩な鯖街道の旅で、また新たなスタイルの鯖寿司との出会いも楽しみである。
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