編集長と歩くおさんぽ講座・大橋~中目黒編、高台の旧山手通をから再び目黒川へと下る。喧騒と静けさが繰り返す、変化に富む散策の締めは…。
●朝倉家住宅
東京府議会議長を務めた朝倉虎治郎宅で、広大な敷地の中に大規模な和の邸宅が建つ。大正8年築の文字通り大正レトロの建物は、真ん中に会議室、まわりに応接、食堂、茶室などを配したレイアウト。斜面に臨むガラス窓が大きくとられ明るく、二階から富士山も望める。
西郷邸と同様に目黒川に落ち込む斜面を使っており、見どころはこの斜面に広がる庭園。いわば崖線の回遊庭園で、飛び石をたどり歩けば自然のままの造形美が素晴らしい。商業施設・代官山ヒルサイドテラスの真裏ながら、表通りの喧騒がウソのような凛とした静けさ。まさに時間が大正期のまま止まったような、エアポケットのような一角である。
●目黒元富士・目切坂
1812年、目黒の熱烈な富士講員が設置した富士塚で、区内にもう一つあった富士塚に対して「元富士」「西富士」と呼ばれていた。富士山の溶岩を使った塚は高さ12メートル、リアルなつづら折の登山道も設けられていたという。氷川神社に移る前にはここにあり、当時は山頂から富士山が見えたろうが今は正面をマンションが塞ぐ。
ここから目黒川へと下る「目切り坂」は、あたりに石臼の目を切る職人がいたから名がついたとされる。大樹が歩道に被るしっとり静かな坂で、ここもまた喧騒から離れた散歩道である。
目黒川の桜はまだ早かったので、一年前の満開時の写真を見てもらい、沿道のおしゃれな店をランチスポット案内しつつ、中目黒駅にゴール。
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