先日、B-1グランプリでゴールドグランプリを獲得した甲府鳥モツ煮の話を聞いた。PRを展開する市民団体の、鳥モツ煮の知名度が上がることで来訪者が増え、かつての賑やかな街にしたい思いが受賞につながったのではないか、と話していた。
一方、この大会で賞をとることの経済効果は数十億単位だそうで、受賞はご当地グルメの枠を超えた全国区となるきっかけでもある。確かに人気ご当地グルメの中には、今や東京周辺の一般の料理屋や居酒屋のメニューになったり、食イベントの常連になったりするものも少なくない。
新横浜の日産スタジアムで開催のフリマを覗きがてら、露店を取り巻くキッチンカーを冷やかすと、ご当地グルメの目立つことといったら。宮崎の肉巻きおにぎり、八戸のせんべい汁、横須賀カリーパンなど、「B-1グランプリで…」「◯◯イベントで…」と貼り紙が掲げられ、PRに力が入っている。
それらに混じり「新横浜名物」と名乗るブースもあり、地元愛に敬意を評して寄ってみた。新横浜町内会が考案した中華まん「鴨まん」で、餡には鴨肉を100パーセント使用。オイスターソースで味付けした鴨肉の、澄んだジューシーな肉汁がたまらない。
ハッピで頑張るお兄さんに聞いたところ、スタジアムのある鶴見川河川敷はかつて鴨の猟場だったことに所以があるそう。売り出してまだ8年ほどだが、新横浜のご当地グルメとして定着すべく頑張っているようだ。
具はほかにシイタケ、玉ねぎ、そして鴨といえば長ネギ。幟に描かれたゆるキャラも、親子鴨がそれぞれネギをくわえている。
ついでに、先日の東京ドームのふるさとイベントで食べ損ねた、亀山みそ焼きうどんもいただいた。三重県亀山は物流の拠点だけに、トラッカー向けの食堂で出していた焼肉とうどんの合体料理が起源だそう。名古屋系の甘辛い赤味噌に唐辛子、ニンニクのパンチが効き、これは労働メシ系の御当地グルメだ。
ガツメシ系の亀山うどんも上々だったが、比べると吹きっさらしで食べる、熱々の鴨まんに軍配が挙がる。加えてスタジアムの向かいは、もと鴨場の鶴見川河川敷。イベント向けの展開も楽しげだけれど、ご当地料理はやはり、その土地の気候風土や佇まいに身を置いて食べてこそうまいのを、再認識した気がする。
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