一献一品出合い酒@宝町

某旅行出版社にほど近い海鮮小料理「縁（えにし）」にて、三岳×生ウニ。同じ職種の気のおけない仲間で業界の展望を語るなら、ドン、とたっぷりボトル酒に魚河岸直送海鮮の、このコンビが似合う。

三々五々集まる多忙な面々だけに、まずは開宴時にいる人で、とりあえずビールの乾杯。すぐさま空いたら後続を待ちつつ、腰を据えてのひと瓶をと迎える。世界遺産の仕事で忙しいかった当時を思い出しつつ、芋の島酒をトロリといけば、カッと点火する熱さに南の島の暑さがよぎる。それがウニの締まった潮の香で、一気に対照的な北の寒海へ。ゆる甘い杯からなめ、汐薫る箱からねぶりと、酔うにつれ南北へ行き来翻弄の一期一会。

続々集まる同志とともに、議論は熱く燃え酔いは次第にしんと深まる。旅に身を置き旅と生きる者たちの、終わりの見えぬ宴の行き先はいずこか。一献一献一品の小さな酒宴、今宵も天下泰平なり。