広島さんぽは中振連の商店街視察の後は、タカノ橋商店街を訪れた。平和公園から元安川沿いを下って10分ちょっと、地元客の利用が多いアーケード商店街で、近隣の千田地区にタワーマンションができたり、周辺に単身者向けマンションが増えてくるなどのプラス面がある一方、広島大学の移転や大規模小売店の進出など集客に苦戦。物販店が減り飲食店が増える傾向にあるなど、課題も少なくないという。
ひと通り歩いてみるとチェーン系の店はほぼなく、地元に根付いた店舗がほとんどなのがなかなか濃い。健康メニューの定食屋、テレビに出た激辛ラーメン屋、地元客御用達のたこ焼き屋、歩いていたら店主が愛想よく話しかけてくれた花屋、店がおもちゃ箱みたいな玩具店、格式ありげな写真館、モーニング発祥の地?とあるパン屋など。中心には公設市場があり、青果に肉に鮮魚に惣菜と生活感あふれる店舗構成がいい。細い路地の市場風情の中、店頭のワゴンに並ぶ品々を歩くだけでも、何ともワクワクする。
商店街では「アーケード祭り」というイベントを定期的に行なっているほか、飲み歩きイベント「はしご酒祭り」は近隣の千田街商店街との連携も進めているなど、様々な仕掛けに積極的だ。それらを進める上で、個々の商店の個性付けも必要となる。専門性を持った店舗が「プロ」として、お客との繋がりを持つ。イベントを出発点にお店、ひいては商店街のファンをつくることで、大規模小売店との差別化ができれば面白そうだ。
ここの展開で興味深いのが、外国人客を意識していること。MICEと連携したユニークべニュー(特別な会場でのレセプション)の実績があり、各国の国際会議参加者に来てもらい市民とともに商店街でふれあいイベントを開催。以後も外国人と地元の人との交流の場、特に子供との生きた語学教育の場となるような施策を考えているそうである。平和公園から外国人の導流にもつながり、当地らしいストーリーづくりが期待される。
空き店舗を利用して、ゲストハウスを兼ねた英会話教室を設ける。商店に外国人客を民泊してもらい、店の手伝いをしてもらう「体験ツーリズム」を仕掛ける。個性を押し出しての商店の紹介に平和公園からの導線づくりとくれば、「おさんぽ」の提案もできそうだ。歩くほどにジャストアイデアがいろいろ浮かぶ、アクティブな商店街である。
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