竹原のタケノコゆえんの料理を味わったら、その産地へと足を向ける。市街北東の小吹地区は斜面に挟まれた山峡で、竹林が広がる集落である。ここでは7世帯でタケノコ堀を行っており、その様子を見せていただいた。
タケノコの出荷は3月中旬から4月いっぱいまでと、非常に短い。早朝に竹林に入り、わずかな土の盛り上がりを見つけて掘り出すため、成長しておらず柔らかいのが特徴。畑を日頃から整備してないと見つけられないほどの起伏のため、手間がかかるがそれがブランドとなっている。「竹の更新や肥料やり、害獣駆除と年中手間がかかるのに、とれるのは1ヶ月ちょっとしかない」と、案内の方が笑っている。
いざ斜面に入ると、すぐに見つけて掘り始め、先っぽが見事に出てきた。大振りなのよりも500グラムほどの小柄なのが味がいいそうで、穂先が刺身で食べられる柔らかさとか。自分も目を凝らしてひびを見つけ、掘ってもらうと見事に出てきた。なんだか宝探し気分で、楽しいやら得したやら。
卸値の問題もありやっていくのは大変だが、評価されるようになってきたのでブランドを守りたい、との言葉が、何とも頼もしい。春先の里の幸、ぜひ掘り立てを竹原に食べに来てもらいたいものだ。
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