世界で一番、マグロを食べている国はどこか知っていますか?答えは日本。世界中で水揚げされるマグロのなんと3分の1を食べている、まさに「マグロ大国」なのです。
ところが、日本をとりまくマグロ事情、最近は危機的な様相を呈しています。台湾籍の違法漁船による、資源管理条約を無視した乱獲操業。魚価の低下による、日本の遠洋マグロ漁業船主の相次ぐ廃業。実は鯨のように、アメリカの環境保護団体によって、絶滅危惧種に指定されてしまう寸前までいったという、シャレにならない話もあるんです。やれマグロの中でもホンマグロが一番とか、中トロの霜降りがたまらない、とか言っているうちに、気がつけばマグロを口にするのが難しくなる、といった時代がくるかも…。
著者は、若いころライターをやっていたが行き詰まり、一念発起して遠洋マグロ延縄船に乗り込んでコック長として1年以上にわたる航海を経験、下船後に習志野市に「炊(かしき)屋」という居酒屋を経営しています。よってマグロ漁師と料理人という2つの視点を通してとらえた、全国のマグロ事情がなかなか興味深い一冊です。
たとえば最近有名になった、津軽大間のホンマグロ一本釣り漁師の家に泊まりこんで漁に同行したり、築地のマグロ仲卸業者に商談しながら事情を尋ねたり。マグロの水揚げ地や流通現場からの生の声は、業者の切実な思いあり、知られていないマグロ事情ありと、日常食であるマグロについて、いろいろ考えさせられます。
余談ですが、最近かなり出回ってる養殖のマグロは、なんと正真正銘のホンマグロ。養殖といっても孵化からでなく、子供のマグロを捕まえて人工的に育てるのですが、この方法だと赤身がない、全身がトロのマグロになってしまうとのこと。回転寿司のホンマグロ大トロサービス品はこれで、安くなるのはありがたいような、ありがたみがなくなるような…。
◎『俺たちのマグロ』斉藤健次著・小学館刊 本体1400円+税
ところが、日本をとりまくマグロ事情、最近は危機的な様相を呈しています。台湾籍の違法漁船による、資源管理条約を無視した乱獲操業。魚価の低下による、日本の遠洋マグロ漁業船主の相次ぐ廃業。実は鯨のように、アメリカの環境保護団体によって、絶滅危惧種に指定されてしまう寸前までいったという、シャレにならない話もあるんです。やれマグロの中でもホンマグロが一番とか、中トロの霜降りがたまらない、とか言っているうちに、気がつけばマグロを口にするのが難しくなる、といった時代がくるかも…。
著者は、若いころライターをやっていたが行き詰まり、一念発起して遠洋マグロ延縄船に乗り込んでコック長として1年以上にわたる航海を経験、下船後に習志野市に「炊(かしき)屋」という居酒屋を経営しています。よってマグロ漁師と料理人という2つの視点を通してとらえた、全国のマグロ事情がなかなか興味深い一冊です。
たとえば最近有名になった、津軽大間のホンマグロ一本釣り漁師の家に泊まりこんで漁に同行したり、築地のマグロ仲卸業者に商談しながら事情を尋ねたり。マグロの水揚げ地や流通現場からの生の声は、業者の切実な思いあり、知られていないマグロ事情ありと、日常食であるマグロについて、いろいろ考えさせられます。
余談ですが、最近かなり出回ってる養殖のマグロは、なんと正真正銘のホンマグロ。養殖といっても孵化からでなく、子供のマグロを捕まえて人工的に育てるのですが、この方法だと赤身がない、全身がトロのマグロになってしまうとのこと。回転寿司のホンマグロ大トロサービス品はこれで、安くなるのはありがたいような、ありがたみがなくなるような…。
◎『俺たちのマグロ』斉藤健次著・小学館刊 本体1400円+税
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