ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

ローカル魚でとれたてごはん…京都・出町柳 『東の鯖街道・若狭街道』終点の町さんぽ

2016年06月25日 | ◆ローカル魚でとれたてごはん
鴨川と高野川の合流点は三角に突き出た「鴨川デルタ」と呼ばれており、ここを挟んで2つの橋が架かっている。河合橋の上から高野川の上流を見渡せば、流れは若狭街道に沿って北上しており、上流に八瀬や大原の深い山々が望めた。鴨川デルタを越えて出町橋を渡り切ると、たもとに「鯖街道口」の碑が鴨川の流れを見下ろして立つ。柳に見え隠れする碑文には、「従是洛中」の文字。ここが遥か若狭からの街道の終点、かつ京の都との分岐点なのが、しみじみ伺える。

出町柳は小浜から熊川、朽木、大原を経て京に至る、東の鯖街道・若狭街道の京都側の終着点である。逆にいえば、若狭からサバや海産物が京に入ってくる窓口でもあり、街を歩くと各所にその名残やゆかりの場所が見られる。寺町通と今出川通の交点に立つ「大原口の道標」には、東西南北それぞれの先の地名と距離が示され、西は内裏・御室、東は黒谷・比叡山、南は祇園・三条大橋と、まさに京の各所へ向けての物流拠点だったことが分かる。

史跡巡りにひと息入れたところで、出町柳の庶民の台所・アーケードの出町枡形商店街に足を運んだ。すると天井や屋号の看板に巨大なサバのオブジェ掲げられ、地元を舞台としたアニメのキャラがサバを抱えたポスターも掲示。サバを推す商店街は全国でも珍しく、鯖街道の終点の町である面目躍如である。店舗でも鮮魚店で塩サバやサバの刺身を扱うなど、サバゆかりの品がちらほら見られるような。

アーケードの出口付近では、翻る紺の幟に「元祖鯖寿司」との文字が躍る寿司店に出くわした。創業90年を超える老舗「満寿形屋」で、大衆食堂風の店舗がレトロなたたずまいである。うどんと鯖寿司2切れセットが人気とあるが、あいにく営業は12時からとまだ2時間近くあるため断念。終着点の町のたたずまいを堪能したところで、鯖街道のドライブに出かけてみることにした。

※以下、続く。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿