大垣水の街さんぽ、四季の路の南端にある大垣船町川湊は、かつて大垣城下と桑名を結ぶ水門川の港だった場所。赤い欄干の住吉橋のそばには、高さ8メートルの住吉灯台がそびえ、川船も配されて川湊らしい景観がつくられている。川沿いには廻船問屋っぽい平入りの商家長屋が現存しており、かつての荷揚げ場で人が往来していた賑わいを彷彿させる。商家は日本料理の店のほか、モーニングを扱う喫茶にも利用され、窓からの眺めも良さげだ。
この川湊は、芭蕉が「奥の細道」の旅を締めくくった、結びの地でもある。芭蕉はここで最後の句「蛤(はまぐり)のふたみにわかれ行く秋ぞ」を読んだ後に、桑名へと船で下っていった。川を臨んで芭蕉と曽良の師弟像が立ち、そばには俳句箱も。芭蕉の気分で一句ひねる散策客もいるのだろう。
隣接して「奥の細道結びの地記念館」の立派な建物があるが、まだ開いていない様子。柵越しに大垣藩家老の別荘「無何有荘」の赤壁茅葺の庵が、水にせり出すように建つのが覗けた。水の街の家老の別荘、なるほど水を生かした風情がある。
小一時間の水の街さんぽは、これにておしまい。せっかくなので、お城にも寄っておきましょうか。
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