狸小路の東の外れに、かつて「富公」という札幌ラーメンの伝説的な名店があった。しゃべると怒鳴られる偏屈な親父が仕切る中、行列を背に静まり返る店内ですする醤油系ラーメンが実に美味かったのを覚えている。現在は常連だった方が、その場所で流れを汲んだラーメンを供しており、訪れてみると場末的な薄暗い店内は当時のまま。親父さんと姉さんは朗らかで、店の雰囲気は格段によくなったが。炒め野菜が時折炎をあげ、丼に具をせっせと並べ麺を軽くほぐす、職人的なコンビネーションである。
醤油ラーメン660円は、観光地値段が横行する札幌のラーメンでは驚異的。炒めもやしがどっさりのり、スープに香る香ばしい火入れラードの香りが、本場さながらである。スープを一口すすると、甘香ばしい中にさまざまなだし素材が入り混じる、奥行きあるあの味わい。かつていただいた時の「これが札幌のラーメンか!」との衝撃が蘇る…というには、こちらのその後の人生における舌の鍛錬もあり届かなかったが、クラシックながらつくりのちゃんとしたラーメンといえる。
客は自分以外は全て常連らしく、オーダーせずとも世間話から着丼と、あたりに浸透した店なのが窺える。17時ごろに再び通ったら「売り切れ」の札がかかり、あたりはひっそりとして店であることも分からないほど。昼のあのひと時は幻だったのか、疑ってしまうほどの、思い出のうたかたのごときラーメン屋である。
醤油ラーメン660円は、観光地値段が横行する札幌のラーメンでは驚異的。炒めもやしがどっさりのり、スープに香る香ばしい火入れラードの香りが、本場さながらである。スープを一口すすると、甘香ばしい中にさまざまなだし素材が入り混じる、奥行きあるあの味わい。かつていただいた時の「これが札幌のラーメンか!」との衝撃が蘇る…というには、こちらのその後の人生における舌の鍛錬もあり届かなかったが、クラシックながらつくりのちゃんとしたラーメンといえる。
客は自分以外は全て常連らしく、オーダーせずとも世間話から着丼と、あたりに浸透した店なのが窺える。17時ごろに再び通ったら「売り切れ」の札がかかり、あたりはひっそりとして店であることも分からないほど。昼のあのひと時は幻だったのか、疑ってしまうほどの、思い出のうたかたのごときラーメン屋である。
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