ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

炭火焼生ラムのざわ@すすきの

2020年10月02日 | 旅で出会った食メモ
この店も3度目の訪問で、札幌で生ラムジンギスカン食べるなら、私的にはここ一択だ。ローカル風情あるし、うまいし、安いし、なぜか混まないし。

ジンギスカンと聞いて「♫Uh!Ha!Dsching,Dsching,DschingisKhan」とのフレーズが浮かぶのは、もろ竹の子族世代だからだろうか。かの歌はドイツのアーチストが、モンゴルの草原を馬で駆ける英雄を歌ったらしいが、北海道名物のかの料理も、英雄が率いる軍団の陣中料理がルーツとの説がある。真偽はさておき、北の大地とモンゴルの平原を結びつける豪快勇壮さが、この鍋料理の持ち味に思えてならない。

そのジンギスカン、道内の地域により二つの流儀がある。生ラムジンギスカンは、名の通り生肉をスライスしてそのまま焼き、付けダレで味付けするシステムである。昨晩いただいたすすきのの「のざわ」は前者のスタイルで、まるで場末のホルモン焼き屋のようなすすけた店舗に年季を感じる。ここは野沢さん一家でやっているアットホームな店で、フロアはおばちゃんとお姉さんがフル回転で接客している。

カウンター席へ落ち着くとお決まりらしく「生ラム、何人前ですか?」と勧められ、すぐに目の前の七輪の備長炭に火がおこされ、その上にジンギスカン用のドーム型の鍋が据えられた。鍋が温まってきた頃に、お姉さんが肉の皿を運んできた。1人前650円は100グラムの肉と玉ネギ、ネギにコンニャク付きが珍しい。肉は注文ごとに手切りで、奥でおばさんがまな板に向かってていねいに切っている様子が見える。

アドバイスに従って脂身を鍋にしっかり塗ってから、まずは肉を頂上に、野菜を淵へ並べる。焼き加減は「好みですが、まだ赤いぐらいでもおいしいですよ」とのこと。特注品の鍋に渦のように入った切れ目のおかげで、炭火が肉に直に当たるため脂が落ち、焦げ目が程良くつく寸法だ。外にパリッとこげ目がついたところでひと切れ頂くと、一瞬生焼けかと思うほどジューシーな肉汁があふれ、臭みがなく旨味も強すぎずあっさりしている。

そしてジンギスカンに欠かせないのが、程良く酸味の効いたタレ。おかげで腹にたまった気がせずどんどん入る。ジンギスカンのタレは一般的に主に醤油をベースに、肉を柔らかくするリンゴやレモンなど酸味のある果物、臭みをとるニンニクやショウガを加えてある。タレと一緒に薬味のニンニクと一味をつけて頂くと、2切れ、3切れと止まらない。ニンニクは肉の旨味がぐっと出てダイナマイト、一味唐辛子はたっぷりいくと爽やかな辛みが食欲をよりそそってくれる。

くせのない生ラムはあっさりいくらでもいけ、グラスビールのサッポロクラシックが進んでしまっていけない。かの歌の歌詞も「どんどんいけ、さあさあ飲め」とあったっけか。Wahahaha〜

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