ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

ローカル魚でとれたてごはん…金沢八景・柴漁港 『小柴のどんぶりや』の、地魚天丼

2015年03月15日 | ◆ローカル魚でとれたてごはん
金沢文庫・称名寺裏の稲荷山からは、戸建や高層住宅が建ち並ぶ市街地の先に、海の公園と八景島シーパラダイスが臨めた。かつては海がこの山の直下まであり、想像するに不思議な感じがするが、それだけ横浜の沿岸が埋め立てられ、開発された証なのだろう。

八景の景勝も今は昔と思いつつ、現在の海際へ足を運ぶべく、歩いて10分ほどで海の公園へ。一角の柴漁港は東京湾屈指の水揚げ港で、江戸前のアナゴやシャコで知られる。午後いちながら入港、水揚げする底引き船で活気があり、直売所も行列の人出。レジャー施設や宅地に囲まれながら、活気付くその様にちょっと嬉しくなる。

さらに嬉しいことに、一角の食事処「小柴のどんぶりや」が、まだやってるではないか。昼前後には売切終了の人気店なので、ありがたくプレハブ前のテント席を確保。巨大なアナゴ天が二本のった丼が人気な中、自分はボリューム負けしそうなので地魚天丼を選んだ。ビールがないのは残念だが、海風に吹かれつつ酒抜きのランチも健全でよしか。

浜の丼は豪快無比と相場が決まっているだけに、運ばれてきた丼もタネが盛り上がらんばかりの迫力だ。日替わりの魚はアジとイカで、アジはプリプリホッコリと、土の香りが東京湾の風味。ゴロリと分厚くグシっと歯ごたえありのイカは、ブツンとかみ切るたびに甘みが展開する。かき揚げは玉ねぎとニンジンのシンプルさに、ゲソ入りのおまけつき。カリカリに揚がり過ぎ気味なのがご愛嬌で、いかにも漁港の惣菜な感じもいい。

柴漁港も埋め立てた土地に造られた漁港で、かつてはやや内陸の小柴という集落にあったという。開発の波の一角で、変わらぬ賑わいを見せる漁港風景を見つつ、いただく丼はしっかりと「八景」の景勝にある海の味がしたように思えた。

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