瀬戸内食材探訪の尾道編、尾道漁港でアコウの水揚げを見た後、夜は市街の料亭「青柳」にて、尾道の春の魚料理に舌鼓となった。これまた高級魚のオコゼ、岡山名物だが尾道でもとれるママカリと、尾道の売りは瀬戸の小魚との話だけに多彩で味が深い。
もちろん、漁業の藤川さんが獲ったアコウも登場、醤油とショウガがしっかり効いた煮付けで出された。藤川さんもご主人の青柳さんも、「アコウは煮付けが一番」と口をそろえるだけに、煮汁が染みながら身の瑞々しさがしっかり立ち、白身魚の調理法の真骨頂である。
こちらの店では先代の頃からアコウの料理を出しており、古くからの尾道の地魚として評価しているそうである。アコウは大振りでも身の味が大味にならないそうだが、煮付けは20センチほどのやや小型のが向いているらしい。塩焼きや酒蒸しも旨く、和の料理法なら割と何でも合うので重宝しているのだとか。
尾道は魚が何でも美味しい中、推しとなる魚がひとつ欲しかった。そういう意味でアコウをPRしていくのは良いこと、と青柳さん。名物づくりではなく「尾道でとれている素材」が大事と、地元愛かつローカル魚愛が伝わってくる、そんな尾道のローカル魚探訪である。
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