レストラン「アル・ケッチアーノ」は、鶴岡市街から離れた田園にある立地にも関わらず、東京など遠方からも訪れるお客で賑わう、人気イタリアンである。地元・庄内の野菜など、ご当地食材を多用しているのが特徴で、その魅力の発信に尽力しているのも評価されているよう。ローカルごはん好きとしては、酒田や鶴岡方面を訪れたら一度足を運んでみたいのだが、人気と立地でなかなかタイミングが合わず仕舞いでいる。
このたび庄内へ行くことになった際、この店の奥田シェフと、食のスペシャリストの藤原浩氏が監修したレストランガイドを知った。件の店は行けずとも、間違いないご当地食材の店情報があれば、庄内の食べ歩きには百人力。さっそく鶴岡の晩に、紹介の「べんけい」の暖簾をくぐった。品書きを見た限りでは普通の居酒屋メニューだが、地物のオススメを訪ねたら「ハタハタ田楽に、サケとキノコのホイル焼きとか」など、地魚料理がいくつか挙がった。
ともにこの地方では知られた、秋から冬のローカル魚なので、聞き慣れない「馬面」をオーダー。冷蔵ケースでとぼけた顔を見せるウマヅラハギのつくりで、キモ醤油にワサビでいただくと、淡泊な白身がふくよかにふくらみ、これは笑みのこぼれるうまさ。庄内浜に揚がる地物で、冬前のこの時期は身が太りキモの味がよくなるという。同じくこれからが美味しいアンコウのアンキモと共に、さながら冬の海のフォアグラだろうか。
馬面とともにオススメメニューから頼んだカキグラタンは、大粒のカキがゴロゴロとたっぷり。プリプリの身がチーズとホワイトソースの濃厚さに負けず、芯から温まる一品である。夏の岩ガキは付近の特産だが、あいにくこのマガキは県外ものだそう。そこで地物の確認の上でもう一品、ローカルミートの料理で庄内豚の角煮を追加。繊維が詰んだかみごたえのある肉で、薄めの脂のトロ甘いこと。低コレステロールのヘルシーな肉質らしく、ホロホロの角煮のイメージとはちょっと対照的な食味か。
庄内のローカル魚とローカルミートをそれぞれ味わったところで、今日は早めにお開きにした。ガイドブックにはまだまだ、地元食材の店が目白押し。明日の酒田を攻めるために、胃袋の余裕と睡眠時間を、今夜はしっかり確保しておこう。
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