「おとなのお子様ランチ」との別称がある、長崎のローカルグルメ・トルコライス。ピラフとスパゲティの上にカツをのせた基本形は、鮮やかな色合いとととにかなり食欲を喚起、というか大人ごころをワクワクさせる。この日いただいたのはメンチカツをメインにチューニングされており、フォークをかけた途端にじわり浸み出るメンチの肉汁、ケチャップビタビタなナポリタン、目玉焼きの黄身を割り絡めたらたまらないピラフと、三者文句なしの空腹突破力である。
トルコライスは、もともと造船が盛んな長崎の、労働者の昼ごはんに重宝されたのが発祥といわれる。お昼のサイレンがドックに鳴り響くやいなや、作業着を着た男たちが市街へダッシュ。「トルコめし一枚!」のオーダー一声、高カロリー物件と炭水化物ツートップをワシワシとかっ込む。限られた時間に肉体労働のためのパワーチャージするのに、このワンプレートディッシュは最適だったのだろう。しゃれたレストランでなく、街場の喫茶店や定食屋を中心に供されたのも、普段使いのローカルごはんらしい。
こちらは秋葉原の買い物客の舌を満足させるべく、食材にもこだわりが。県産ポークのカツ、長崎和牛のメンチ、長崎ポテトのコロッケ、雲仙ハム入りピラフ、アジフライも県産の活け締めものと、ワンプレートで長崎まるかじりなのも嬉しい。まさに働く活力が湧き上がってくるような一皿、デスクワークながら明日の仕事へパワーチャージである。