ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

一献一品出合い酒@京橋

2014年04月04日 | ◆一献一品出合い酒
男の料理を標榜する五島の食材が売りの「無花果」にて、而今(じこん)×キビナゴの一夜干しあぶり。普段懇意にしながらなかなかじっくり飲めない仲間と、ここぞと腰を据えるなら、仕事場そばのエース級の店での、このコンビが似合う。

業界の良さと憂いをあれこれ語りながら、宴半ばの追加に五島の地物の組み合わせ。島に珍しい地の日本酒は、雄町米の厚みが生きた飲み応えある杯。ほんのり黄身を帯びた雫は日本酒の真髄で、胃の腑にズシリと染みていく。刺身が定番のキビナゴは、ほっこり丸い身の豊かさ。丸く甘い充実の味わいに、酒の厚みも呑まれていく。未知なる離島の味覚の個性、隠れ何たるやの意外性な一期一会。

馴染みの組織を離れる前に、残り伝えたい思いが募る名残酒。惜別の杯が干されていくに伴い、新たな展開への期待もまた、極上の酒肴となりたるかな。一献一品の小さな酒宴、蛍光天下泰平なり。