ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

会津の風評被害モニターツアー5

2011年09月23日 | てくてくさんぽ・取材紀行

モニターツアーの最後の生産者は、会津米の農家。会津盆地は阿賀水系の「水が生まれる場所」で、寒暖の差が激しい気候のため、良質米の量産値として知られる。「魚沼と質は匹敵する上、田圃が広いので収穫量も多い」。栽培品種はコシヒカリがほとんどで、ほかひとめぼれ、コシヒカリの早生で食味がいい五百川、さらに会津で評価の高い酒「飛露喜」の酒米も栽培している。今年は震災などの影響で田植えが遅れたが生育は順調で、9月20日ごろが稲刈りの予定。放射能の問題は皆無で、直近の喜多方のモニタリングでも問題はなかった。この農家は風評被害への対応は特にしていないが、すべての情報を公開しているのがよかったのではとのこと。国や東電の小出しな放射線の情報公開が不信を呼んでいることからすれば、このような「誠実さ」が消費者との信頼関係を生んでいるのだろう。風評に負けるな、と応援したくなる。


会津の風評被害モニターツアー4

2011年09月23日 | てくてくさんぽ・取材紀行

会津中央乳業の牛乳、会津盆地は優良な原乳が生産地で、ここでは会津産の原乳のみを使用。生産者と工場の距離が近いため鮮度が良く、「人間が食べられない物を食べられるようにするのが酪農」とのこと。しかし震災時の影響は大きく、工場は稼働しているものの重油や紙パックが不足して製造に影響が出て、蒸気で15分かけて殺菌するトップブランドの「べこの乳」は、重油が使えないため製造できず、一般の牛乳の生産メインにに切り替えた。そして紙パックと重油のめどが立ちかかったところで、全県の原乳の出荷自粛の指示。出荷再開時は地元の学校やスーパーは苦しい時に牛乳を供給したことへの感謝もあってとってくれたが、首都圏で取引されていたべこの乳は回復していない。試飲で飲み比べると、べこの父は甘みが自然でいがらっぽさが舌に残らない。ちなみに社名は場所が会津盆地の中央であること、減っていく会津の乳業業者の中で産業をを背負っていく意味も込めて、この社名となっているそうだ。


一ノ関地ビールフェスティバル@桜木町

2011年09月23日 | 町で見つけた食メモ

馬車道近くのフットサルパークで開催された、一関地ビールフェスティバルに行ってきた。毎年一関で開催されるものが、今年は初の県外開催で横浜にて催された。東日本大震災の復興支援の意味もあり、東北の主な地ビールに加え、岩手県を中心とした畜産品も出店。自分もローカルミートの取材で食べたり店を訪れたりしたところもあり、意義のあるイベントだった。まあ難しい話はともかく、ランドマークや観覧車の夜景を見たり、ボサノヴァのライブを聴いたりしながらの本格地ビール飲み比べ&岩手を代表する銘柄肉の食べ比べは最高!

写真は花巻の銘柄豚・白金豚のステーキ。自身も花巻や盛岡の店におじゃましたことがあり、ローカルミート食べ歩きの中でもトップクラスのおすすめ銘柄ポークだ。名の由来や詳細は以下のブログをご参照していただきたいが、脂を味わう肉、と店の方がおっしゃるように、脂のトロ甘さが感涙もの。豚は「触媒」と宮澤賢治は語っているが、ここまで良質の脂に転換するのは豚の手柄だ。もうひとつ、牛肉はいわて門崎丑の格之進。飼料や肥育環境にこだわり、熟成の頃合いを見定めたステーキは口の中で自然にほぐれる柔らかさ。どちらも震災の風評に苦しんでいるとのことだが、震災後いかにとりくみ、放射線とは何ら関係ないのは経過を追っていた私も安心して薦められる逸品だ。ビールはいわて蔵ビール、みちのく福島路ビール、田沢湖湖畔の杜ビールを中心にいただいたが、どれもドッシリ重みがあり、麦の味を存分に味わえる本格派。山ブドウやバナナフレーバーのも風変わりで楽しめた。

この日は大船渡から朝取れのサンマが直送され、炭火の塩焼きでいただけた。今年のサンマはずんぐりと太く、皮の裏には茶色い脂肪がぴっちりついていて甘いこと。さらに朝とれの生サンマだけに、ワタの苦みやキモのコクが泣かせる。頭と中骨と尾びれ以外、残すところなく完食した。畜産の風評も大変だが、三陸の漁業も漁港が壊滅状態の中、宮古や大船渡や気仙沼がサンマやカツオ船が帰港して水揚げを始めるなど、徐々に動きが出始めている。合わせて応援していきたい。

 

 


只見のジンギスカン@会津若松

2011年09月23日 | 旅で出会った食メモ

会津復興モニターツアーの視察はこれにて終了、打ち上げの昼ご飯は只見名物のマトン焼きなど、河原でのごはんとなった。マトン焼きはかつて只見地方では羊毛をとるための羊の飼育が盛んで、毛をとったあとの羊を焼いて食べていたのが由縁。肉をブロックの状態でタレに漬け、薄切りにして焼き上げるのが特徴。炭火を用いて調理したため、トングでほんの数分混ぜているうちに焼きあがった。マトンは固く独特の匂いがある肉だが、タレに付けた上薄切りで焼きたてを食べるため、固さもくせもまったくない。炭火焼の香ばしさ、マトンの軽い獣臭がちょうど野趣を醸し出すいいバランス。一緒に会津でも名物の芋煮もいただき、会津の風評被害にいろいろと力添えをしたい気持ちも盛り上がるというものだ。