暇人詩日記

日記のかわりに詩を書いていきます。

傲慢の塊

2023-03-16 | 狂おしい
温かくて柔らかい毛玉を抱き締めたい
血が通っていて、冷たくもなく、固くもない
手のひらにおさまる毛玉
ひとかかえにできる毛玉
何と傲慢で身勝手なのだろう
そんな私はシャチに齧られるといい
けれど私はきっと不味いに違いない
無理を強いるわけにはいかないから
シャチの形をした人間がいい
冷たくて大きくぬるりとした
空を泳ぐ水棲生物に似たばけものの
ぞろりと並んだ牙にこそぎ取られたい
はらわたを食いちぎられて
腕も髪も一緒くたにして
くちゃくちゃ咀嚼するそいつを
地面の上から見上げていたい
食い散らかされたくずになりたい
苦しみながら死んでいって
腐敗した汁はマンホールに流される
私だけのばけものに
ただ 見捨てられてしまいたい

コメントを投稿