暇人詩日記

日記のかわりに詩を書いていきます。

キュートアグレッション

2022-09-12 | 狂おしい
そのやわこい細首へ
指先を埋めてしまおうか
皮膚と血の管を味わって
いとしいさえずりを聞かせておくれ
おまえはなんと愛らしく
だからわたしは時々
くびり殺してやりたくなる
呼吸を止められ喘ぐさまを
浮きあがった目玉でわたしを
わたしを見上げ泣くさまを
今までいくつ夢想したろう
残酷なわたしを知りもせぬまま
おまえは今日もかよわき肩を
てらいもなく預けてみせる
ああ
そのやわこい細首を
絞めあげて締めあげて
唇の端からこぼれる泡まじりの唾液を
のこらずすすってしまいたい
猫の子よりもか弱い爪で
かりかり傷をつけられたい
腫れあがるあかぐろい顔をして
哀願の涙を流してほしい
消えぬ痣とおんなじ痣を刻みたい
かぼそいさえずりがしわがれて
やがて消えゆくその時を
ただひとり味わい尽くしたい
死ぬのは悲しい、そうだろう
わたしはおまえの首に手をかける
唇を落とした時のわたしが
どんな顔でどんな夢想をしているのか
おまえは永遠に知らなくていい

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