ひとの手の体温ぐらいしか知らなかったぼくは、鏡が好きだった。
鏡に映る自分の姿。
『彼』を触るように、ぼくを指で辿ればなんだか温かかった。
鏡には触らない。
冷たいから。
どうしても生きにくい時は、何に縋るのだろう。
人によって違うのかもしれないし、違ったようでいて皆同じなのかもしれない。
ぼくがぼくであるから、ぼくは生き続けている。
誰もぼくのようにはなれない。
だから縋るなんてできない。
だからぼくは一人でぼくを抱き締めた。
ぼくは可哀相だ。
とても可哀相だ。
腕の方から痺れていく感覚。
そうだ、折られたんだ。
祖父に。
自分を愛して何が悪い。
自分さえ愛せない人間に何が言える。
ぼくだけがぼくを裏切れない。
そう思っているのならば、それは間違いだ。
けれどぼくは鏡を見る。
温かさを模擬的に感じる。
ぼくはもう、
ぼくじゃない
鏡に映る自分の姿。
『彼』を触るように、ぼくを指で辿ればなんだか温かかった。
鏡には触らない。
冷たいから。
どうしても生きにくい時は、何に縋るのだろう。
人によって違うのかもしれないし、違ったようでいて皆同じなのかもしれない。
ぼくがぼくであるから、ぼくは生き続けている。
誰もぼくのようにはなれない。
だから縋るなんてできない。
だからぼくは一人でぼくを抱き締めた。
ぼくは可哀相だ。
とても可哀相だ。
腕の方から痺れていく感覚。
そうだ、折られたんだ。
祖父に。
自分を愛して何が悪い。
自分さえ愛せない人間に何が言える。
ぼくだけがぼくを裏切れない。
そう思っているのならば、それは間違いだ。
けれどぼくは鏡を見る。
温かさを模擬的に感じる。
ぼくはもう、
ぼくじゃない
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