ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

他山の石

2014年03月24日 | 社会・政治

 1933年の今日、ドイツの議会で全権委任法と言う名の法律が成立しました。

 ヒトラー総統に全権を委任するという、独裁に法的根拠を与えるものです。

 第一次世界大戦後、ドイツにはワイマール憲法と呼ばれる、当時最も民主的な憲法が制定され、独裁が生まれる余地は無いとされていました。

 しかしナチズム(国家社会主義)にドイツ国民の多くが熱狂し、あれよあれよと言う間にナチ党は第一党になり、ヒトラーは首相に就任します。

 よくナチは暴力で権力を簒奪したのだと思い込んでいる人がいますが、それは事実と異なります。
 長いナイフの夜と呼ばれる大粛清も行いましたが、それはナチ党内部の権力闘争の結果です。

長いナイフの夜 (集英社文庫)
金森 誠也
集英社

 いわばナチによる独裁は、民主的な手続きを経て施行されたもので、それはドイツ国民の多くが望んだことです。

 民主主義を標榜する国家が、極めて真っ当な民主的な手続きによって独裁体制を築き上げ、あげく侵略やユダヤ人迫害を国家意思として行うとは、民主主義の最大の欠陥ですねぇ。

 民主主義が民主的に民主主義を否定することは、今後もありうることです。

 チャーチルは、「民主主義は最悪の体制だ。但し、過去に存在したあらゆる政治体制を除いて」と発言しました。

 英国人らしい皮肉な物言いですね。

 この最悪の例を他山の石としなければなりますまい。

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