9.11テロから今日でちょうど10年がたちました。
その間、イラク戦争があって、サダム・フセインは罪をでっち上げられて処刑され、アフガニスタンでの戦争は継続中で、ビン・ラディンは米国の特殊部隊によって殺害され、遺体は葬儀もなしで海に捨てられました。
イスラム過激派以上に、世界で一番恐ろしく、非道なのは米国政府であることを、いやというほど見せつけられ、敗戦国の悲しさで、常に米国の非道を擁護し続けなければならない我が国の悲哀を感じさせられもしました。
一方中国は経済的、軍事的にこの10年で飛躍的な発展を遂げ、もはや米国の世界支配は風前の灯です。
しかも中国の分けの分からなさは米国の比ではなく、中国が太平洋で覇権を握れば、我が国の安全を保持するのは極めて難しく、世界は暗黒の戦国時代に突入するやもしれません。
なにしろ中国は100年も前の世界標準、植民地帝国主義的な世界を生きており、世界の不安定要因の第一番でしょう。
10年前の今日、私は台風の山形にいました。
遅い夏休みをとって、山寺などを観光し、帰宅する予定でした。
ところが台風で山形新幹線が止まり、やむを得ずバスで仙台に出て、仙台から新幹線で帰ったのです。
旅の疲れから11時くらいには床についたでしょうか。
しかし、テレビ・ニュースを見ていた同居人が、大変なことが起きている、と、私をたたき起こしました。
最初は事故かと思いましたが、連続して2機目が世界貿易センタービルに突撃、国防総省にも飛行機が落ちたと知って、これは悪意ある者の犯罪以外ではありえない、と悟りました。
その後は繰り返し飛行機激突の映像、ビル崩落の映像、躍り上がって喜ぶアラブの人々の映像が流され、世界はこの信じがたい大規模テロに恐れおののきました。
ニュー・ヨークという米国一の巨大都市の空が、いともたやすくテロリストによって恐怖で染め抜かれるとは、誰が予想し得たでしょうか。
真珠湾攻撃と戦争末期の日本の風船爆弾以外、米国は領土を爆撃されたことがないという、稀有な国だったにも関わらず。
その終末的な風景は、安泰だと信じていたこの平穏な日常が、いかに脆く、一寸先は闇であるかを思い知らせるに、十分過ぎるほどでした。
国家と国家の正規の軍隊同士が戦時法に従って戦う時代はとうに終わりを告げ、テロリストという、民衆を隠れ蓑にして暗躍する見えない敵と戦う時代が到来しました。
そしてそれは、極めて困難です。
誰が敵なのか、見た目ではわかりませんから。
70歳の白人でアングロサクソンでプロテスタントの老女が、もしかしたら爆弾を腹に巻いているかもしれません。
なにもアラブ系の顔をした30代の男だけが怪しいわけではありません。
一神教の原理主義者が多様性を認めることはないでしょう。
自分たちだけが正しいと信じているのですから。
できることは一つだけ。
相手を尊重しつつ、警備は厳重にしながらも、なるべく関わらないようにすることです。
大前提が異なる相手と議論することは時間の無駄です。
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