ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

無貌の神

2018年03月10日 | 文学

 恒川光太郎の短編集、「無貌の神」を読みました。

無貌の神
恒川 光太郎
KADOKAWA

 今年の1月に刊行された最新作。

 12冊連続で恒川作品を読み続け、ついに、後は新刊を待つばかりとなってしまいました。

 寂しいかぎりです。

 「スタープレイヤー」「ヘヴンメイカー」と、壮大なファンタジーが続いた後、今作は先祖がえりしたというか、この作者の真骨頂とも言うべき、不思議な、美的で幻想的な短編が6編収められており、それらはみな、それぞれに愛おしい小編です。

スタープレイヤー (角川文庫)
恒川 光太郎
KADOKAWA

 

ヘブンメイカー スタープレイヤー (角川文庫)
恒川 光太郎
KADOKAWA / 角川書店

 「無貌の神」は、人の体を癒す力を持った神が、しかし時折人を喰らう怖ろしい側面を持っています。

 生まれ変わり死に変わりする人の世を描いて、息苦しいほどの緊張感を持っています。


 「青天狗の乱」は、明治初期の東京及び伊豆諸島を舞台にした、魔が活躍する物語。
 明治初期という混乱期ならではの、猥雑な空気が魅力的です。

 その他、「死神と旅する女」・「十二月の悪魔」・「廃墟団地の風人」・「カイムルとラートリー」の4編が収められています。

 是非お読みください。


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