最近、夢を見なくなりました。
うつ状態が激しい頃は、虫だらけのプールに投げ込まれて溺れたりする、グロテスクな夢をよく見ました。
歯が抜ける夢もよく見ましたね。
これはなかなか怖ろしいものです。
朝、目覚めて歯が抜けていないことを確認するほどリアルな夢でした。
それも連日悪夢が続いて、難儀したことを覚えています。
金縛りもずいぶん経験しました。
古く、日本では悪夢を、寝怖(ねおび)る、と呼んだそうです。
なるほど、寝て怯えるのですね。
私は夢判断のようなものを胡散臭いと思っています。
そもそも睡眠のメカニズムは全容が明らかになっていないのですから、悪夢についても簡単にその理由を知ることはできないでしょうね。
眠るということは、気持ち良いものですが、考えてみるとこれほど無防備な状態も無いわけで、かつて猛獣に襲われる危険と背中合わせで生きていた原始の人々にとっては、眠るということは命がけでもあったことでしょう。
そうであってみれば、私たちが悪夢に襲われることがあるのも当然かもしれませんね。
日々命の危険を感じることなく、暖かい布団で眠れる僥倖に恵まれたのは、人類の歴史のなかでは最近のことなのでしょう。
その僥倖に感謝して、ゆっくりと眠りたいものです。