ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

Dデイ

2014年06月07日 | 社会・政治

 雨に閉じ込められて、BSのニュース番組ばかり見ています。

 欧米の放送局は、昨日がノルマンディー上陸作戦を開始したDデイから70周年にあたることと、その式典のことばかり流しています。

 90歳を越えた元兵士たちを前に、自由と民主主義という正義を守るために自己犠牲を厭わなかった作戦の参加者すべてが英雄だ、などと各国の指導者たちは歯の浮くような褒め言葉を並べ立てていました。

 嗤わせてくれちゃいます。

 強い軍事力と時の運によって連合国軍が勝利を収めただけの話です。

 ナチズム(国家社会主義)の正義を信じて戦い、武運拙く敗れたドイツ兵たちもまた、英雄でしょうに。

 わが国には古来から、敵味方供養という弔いの方法がありました。

 その時は死闘のかぎりを尽くしても、戦が終れば敵も味方もないという考え方に基づき、敵味方双方の犠牲者を供養するための法要を営むわけです。
 喧嘩両成敗にもつながる冷静な態度です。


 現代、わが国では自由と民主主義が正義とされています。

 しかしそんなもの、時代が変わればどう変化するかなんて、誰にも分かりません。

 絶対王政や封建主義に戻る可能性は極めて低いですが、現代人には想像もつかない新しい正義が将来、生まれるでしょう。

 ちょうど、戦国武将が民主主義なんて考え方は想像もつかなかったように。

 要するに正義なんて相対的なもの。

 しかしまぁ、70年前というと、まだ存命の方もたくさんいらっしゃいますし、映像もわずかながら残っており、勝った側であればなおのこと、その勝利を正義で飾りたいと思うのも理解はできます。

 ただ、世の中には利益獲得のためや自衛のための戦争はあるにしても、絶対的な正義のための戦争なんて過去に存在したことはなく、今後も未来永劫あり得ないのだということだけは、全人類が肝に銘じるべきでしょうね。

 こちらの理屈ばかり言い立てるより、相手の理屈を理解しようと努めたうえで反論しなければ、説得力がありませんから。

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