ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

恋の行方

2014年01月24日 | 社会・政治

 やるせない事件が起きてしまいました。

 70歳の妻が、90歳の夫の介護に疲れ果て、夫の胸を刺し、自らも自殺を図ろうとしたそうです。

 しかし、胸を刺されながらも、夫は強い口調で「生きるんだ!」と叫び、救急車を呼ばせて一命を取り留めたとか。

 気丈な老人ですねぇ。

 その介護は壮絶を極めるものだったようです。

 15年前に脳梗塞を患って脳に障害が残り、右半身麻痺。

 トイレに連れて行く、食事の世話、口がゆるくなったためよだれかけを毎日3回以上代え、我がままになった夫は妻が外出したり長電話したりして自分の相手をしてくれなくなることを極端に嫌い、息子や娘と会うことも嫌い、妻は昨年うつ病と診断されたそうです。

 妻は殺人未遂で起訴されましたが、息子も、殺されかけた夫ですら減刑を嘆願し、懲役3年執行猶予3年という寛大な裁きで済んだのはせめもの幸いです。
 これも殺人に失敗したればこそ。
 いくら情状酌量の余地が多いにあるとはいえ、死んでいたらここまで軽い刑では済まなかったでしょう。

 夫はその後施設に入所しましたが、離婚はしていないそうで、刺されて初めて妻の心中を察し、感謝の念が湧いたものと思います。

 命あっての物種とはこの事ですねぇ。

 これもまた、男と女の恋のあり方でしょうか?

 私の父は肉体的にも精神的にもひどく衰えることなく、71歳の時に倒れ、入院して数日後にはモルヒネで痛みを和らげ、この世とあの世を数日行きつ戻りつした後、亡くなりました。
 格好付けだった父は、死の床にあっても、その独特のダンディズムを保ったように見受けられます。

 母は今も父への恋心を隠そうともしません。

 先の老夫婦とは対照的です。

 私がいくつまで生きるのか、また、要介護となってしまうのか、さらに同居人はどうなるのか、未来は誰にも分かりません。

 分からない未来を心配したところで詮無いことではありますが、少子高齢化による痛ましい事件が頻発するわが国にあって、寿命が延びたのは目出度いとしても、つい将来が心配になってしまうのはやむを得ないことでしょう。

 明日をも知れぬ身であれば、今この時を重視する他ないでしょうねぇ。

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美的な青春ホラー、「絶叫学級」

2014年01月24日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 昨夜は美少女が乱れ舞う和製ホラーを鑑賞しました。

 「絶叫学級」です。

 おどろおどろしいタイトルとは違って、美少女乱舞の美的恐怖譚でした。

 美少女と恐怖はお似合いのようで。



 
 物語は単純。



 某女子高でのイジメと、12年前に起きた、その女子高での爆発事件をからめながら、今を生きる女子高生たちの光と闇を描いています。

 誰よりも可愛く美しくなりたいと願うカナ。
 絵を描くことがなにより好きなエリカ。

 二人は親友です。

 しかし、学園を支配するお嬢様にして美少女に目をつけられてから、二人の運命は暗転します。

 かつてイジメられっ子だった美術教師と、高校時代、彼女を守るために破滅的な行動に出た美術教師の親友。
 親友は美術教師を守るために無惨な死を遂げます。
 その親友の霊が、学園を暗く支配しています。

 親友の有り得ない死がトラウマの美術教師は、ことさらイジメには敏感です。

 しかしながら、イジメというのは陰湿なもので、苛められている本人が、それを隠そうとするのです。

 切ないことです。

 男たる私。

 男女別学は経験がありません。

 女子高の陰湿さも、男子高の粗暴さも知りません。

 それゆえにこそ、女子高であれ、男子高であれ、同性しか存在しない学校に美と恐怖を感じざるを得ません。

 B級ホラーの意匠をまといながら、どこか切ない青春映画でありました。

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