最近ロシアが同性愛者差別とも取れる同性愛宣伝禁止法が施行されて話題になっていますね。
しかしロシアに限らず、1960年代半ばくらいまで、キリスト教国では同性愛は法律で禁じられているのが普通でした。
生殖を目的としない性行為は神の意に反するということのようで、異性間でも肛姦は禁止だったようです。
さらに、一部キリスト教原理主義者は、生殖不能な自慰行為やオーラル・セックス、果ては避妊すら認めないというから驚きです。
時代錯誤も甚だしい。
それなら栄養過多の食事も犯罪でしょう。
美食家が多い日本など犯罪者天国ですな。
両性愛者だったフランスのサド侯爵は同性愛の罪で投獄され、フランス革命に拠ってようやく釈放されています。
しかも同性愛は通常死刑だったというから驚きです。
両刀使いがむしろ普通とされた戦国時代を歴史に刻むわが国では信じれない野蛮な法律です。
ランボーとの同性愛に溺れたフランスの詩人、ヴェルレーヌや、英国の作家、オスカー・ワイルドなども同性愛で逮捕されています。
ヴェルレーヌについては「太陽と月に背いて」、オスカー・ワイルドについてはずばり「オスカー・ワイルド」で描かれています。
「愛に異性愛も同性愛もない」と裁判で主張したオスカー・ワイルド。
その言葉は胸を打ちますが、生まれるのが早すぎましたねぇ。
で、今朝の新聞で、やはり1950年代に同性愛の罪に問われた対独戦の英雄である英国人が、死後59年を経て恩赦となり、名誉回復を遂げたことを知りました。
この人、数学の天才で、英国政府機関でドイツの暗号解読に成功し、ために終戦が2年は早まったと、もてはやされていたそうです。
しかし1952年に同性愛行為の罪で告発され、2年後に41歳で自殺してしまったそうです。
暗号解読によって多くの英国兵を救ったとされながら、同性愛を罪と見なす英国裁判所によって自殺に追い込まれたとは、なんとも皮肉な話です。
時代はくだって2014年、ロシアの同性愛者差別を批判するのに使われたのか、忘れ去られていた同性愛者の名誉が回復されるとは、犯罪や価値観など時代によって簡単に変わることを暗示して、いっそ痛快ですらあります。
例えば多くの国で禁止されているマリファナ、オランダでは合法だそうです。
酒など世界中で飲んでいると思いきや、イスラム教では酒は御法度。
わずか90年ほど前、米国では禁酒法という馬鹿げた法律がとおり、アル・カポネなどのマフィアが密造酒で大もうけしたと伝えられます。
マフィアと戦った刑事を描いた「アンタッチャブル」で、禁酒法廃止のニュースを受けてカポネを逮捕した刑事に記者がインタビューすると、刑事、「帰って一杯やるさ」と応えたのが印象で的です。
酒が悪なのではなく、違法行為が悪なので、法律が変われば悪は善になり、善が悪になることも当然ありえましょう。
私たちは悪と善など簡単に入れ替わるのだという冷徹な事実を知り、幼稚な正義などにふり回されないようにおのれをしっかりと持たなければなりません。
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