T.NのDIARY

写真付きで、日記や趣味をひとり問答で書いたり、小説の粗筋を纏めたブログ

「刺客-用心棒日月抄」を読み終えて!

2011-07-18 15:09:01 | 読書

 藤澤周平の用心棒シリーズ第三弾。お家乗っ取りを策謀する黒幕のもとから、五人の刺客が江戸に放たれた。家中屋敷の奥まで忍び込んで、藩士の非違を探る陰の集団「嗅足組」を抹殺するためにである。

 身を挺して危難を救ってくれた女頭領佐知の命が危ないと知った青江又八郎は三度、脱藩、用心棒稼業を続けながら敵と対決するが……。

 好漢又八郎の壮絶な闘いと、佐知との交情を描く代表作。(裏表紙より)

 用心棒稼業を横糸に、嗅足組を守る闘いを縦糸に纏められているが、両者が質量ともに同じ程度であり、二冊の本を読んだ感があったが、それが反面マイナスになり、あまり勧められる小説ではなかった。

 とりあえず、又八郎と佐知による刺客との闘いの粗筋だけを記述することにした。

陰の頭領

 藩主毒殺の陰謀があったことを証拠立てる書類を握って、元家老の大富丹後の一族静馬が江戸に逃れたのは昨年の春。

 又八郎は間宮中老の密命を受け江戸に向かい、静馬を屠って半年ぶりに帰ってきた。

 又八郎は間宮中老から前藩主の異母兄、今の藩主の伯父にあたる寿庵保方が大富派の策謀の黒幕だったことを知らされた。

 ある日、又八郎は元筆頭家老の谷口権七郎から呼び出された。

 藩に嗅足組というものがあることを知っておるなと言われ、又八郎はうなずいた。

 江戸と郷国を行き来する間に、一度は傷を負わされ、二度目は静馬の探索に手を借り、嗅足の女達を指示している佐知から命を救われたことがあった。

 嗅足は元来は陰葦といって藩主の陰の旗本だった。戦がなくなって、党派に偏らず藩主を守る陰の監察の組として藩の中に残された。

 寿庵が、その嗅足組を抹殺して自分の意のままになる新しい陰の組を作ろうとしている。そのため、江戸にいる嗅足の女に五人の討手を放った。そこで権七郎は又八郎に刺客の殺傷を命じた。

 権七郎が、命の恩人の佐知の父親であることを知った又八郎は、嗅足組の陰の頭領である権七郎の命に従うことにした。身籠の妻と祖母を残し、早々に出立した。

再会

 又八郎は、江戸に着き、以前から用心棒の世話をしてくれていた口入屋の相模屋吉蔵を訪ねた。

 吉蔵に、早速に江戸屋敷の佐知への連絡を依頼して、いつものように町医の平田の家で落ち合った。

 佐知の父親からの命令を伝えた。佐知は、青江様がお出でになるとは夢にも思いませんでした、このようにまたお目にかかることができて嬉しいと、俯いて顔を赤らめた。

 又八郎が住んでいる裏店に、はるという嗅足の女が行方不明になったとの連絡があった。

番場町別宅

 美代という配下が、はるの居場所を突き止めた。廃人同然のはるを助け出し、途中で敵につけられたが、刺客の一人の土橋甚助を殺傷し、はるを町医の平田宅へ連れて行った。

 又八郎が裏店に帰ると、泥棒に入られていて根こそぎ持って行かれていた。

 刺客たちの探索によるものかも解らないが、当面の金子もないので、相模屋から用心棒の口を世話してもらった。

 その用心棒の仕事の知らせのために相模屋に立ち寄ろうとする道で、鳥追い姿で待っていた佐知に会い、討手の居場所が分かったので、今夜、平田の家で会いたいとの連絡を受けた。

襲撃

 雑木林の一軒家の手前で、佐知が口笛を吹くと7人の嗅足が集まった。一軒家には江戸家老の側近と討手の筒井、中田、成瀬と探索の男一人の五人がいた。

 乱闘になり、又八郎は中田と立ち会い息の根を止めた。闘いの中、筒井と成瀬は遁れた。当方も一人が死に三人が手傷を負って平田の家に連れ込んだ。

梅雨の音

 子供が佐知の連絡を持ってきた。手傷を負って子供の家で寝ているとのことだ。

 筒井たちの罠かと用心もしたが、特に感じられなかったので、子供について行くと、探索中に相手にやられ、見ず知らずの結城屋に助けられたとのことだ。

 何回目かの見舞いで、又八郎は佐知と褥を共にした。数日して、治療代を持って結城屋の前まで行くと、佐知に手傷を負わせたとおもられる杉野が家の前をうろついていた。

 又八郎は人がいないところまで誘い出して闘い、傷を負いながらも杉野を討ち果たした。

隠れ蓑

(省略)

薄暮の決闘

 最後の討手となった筒井から果たし合いの申し込みがあった。

 青江様お見事。終わったね佐知殿。二人は自然に抱き合い、できれば江戸の妻になりたいという。

 又八郎は、又明日の夜ゆっくり会おうかというと、佐知はどこへでも参りますと言う。

(妻子ある又八郎との、このあたりの文章は想像してほしい。)

黒幕の死

(寿庵による藩主毒殺計画の失敗、寿庵の死も省略)

                                            

記述し終わって、用心棒を主体に纏めたほうが面白かったかもとも思った。 

 

コメント
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