スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

倉敷藤花戦&知覚と概念

2006-11-29 23:13:01 | 将棋
 昨日の第二局に続いて,今日は27日に指された倉敷藤花戦の第三局を回顧してみます。
 三番勝負の第三局ですので,改めて振駒(おそらく)。先手を得たのは斎田晴子女流四段。前日同様に四間飛車にしました。対して清水市代倉敷藤花はこの日は持久戦を選択。左美濃に固めました。
 仕掛けたのは斎田四段の方で,飛車を5筋に転換して39手目に▲5五歩。ここからの中盤戦はほぼ先手からみて盤面の右側での戦い,つまり玉頭戦となったのですが,斎田四段が71手目から▲3五歩~▲2五歩~▲6八角と角をこちらに効かせたのがよい構想だったようで,その後,銀桂交換の駒得に成功。その後,ややもたついたような気もしないではないのですが,駒得しながら着実に攻め続け,そのまま押し切っています。快勝といえるのではないでしょうか。
 藤井システムVS左美濃は,とくに四間飛車側が先手の場合には藤井システムに利がある感じで,この将棋もそうした決着となりました。斎田四段は久々のタイトル獲得。一時期は女流棋界のトップグループを形成していましたが,失礼ながら最近の成績からは挑戦者になったこと自体,僕には意外で,まさか奪取できるとは思っていませんでした。これで清水前倉敷藤花は女流王位の一冠に後退。矢内理絵子女流名人,千葉涼子女流王将と四冠を四人で分け合うという形になりました。

 竜王戦は佐藤棋聖のごきげん中飛車でした。渡辺竜王の▲2五歩~▲5八金は急戦を目指す指し方ですが,佐藤棋聖は避けて9筋の位を取り,手損の角交換から持久戦になりました。封じ手の段階では馬もできて僕にはばかに先手がいいように思えます。大平五段もそういう見解のようですが(素人目というのがちょっとおかしいですね),藤井九段の解説だとそうともいいきれないらしいです。

 『エチカ』では,知性が事物を知覚するといわれる場合と,事物を概念する(考える)といわれる場合では意味合いが異なるということになっています。知覚といわれる場合は知性(精神)の受動を意味し,反対に概念といわれる場合には知性の能動を意味するというのがその違いです。これについては第二部定義三の説明でスピノザ自身が触れているのですが,その部分に関する訳者の畠中尚志の訳注からも分かるように,そういいつつスピノザはあまり厳密にタームを使い分けません。第一,この説明からして,知覚は何となく受動を意味するような感じで,概念は能動を意味する感じだから,ここ(第二部定義三)では概念の方を使いますよという感じです。
 そこで,第一部定義四も知覚するといわれているのですが,ここではこのことについてはあまり問題にしないことにします。知覚と概念は,知性(精神)による認識の受動性と能動性を問題にしていますので,ここでの知覚するということばは,単に認識するという意味で理解することにして,先に続けることとします。
コメント
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