スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

シーザリオ&第一部定理四

2006-11-18 23:10:22 | 名馬
 メルボルンカップで見事にワンツーを決めたデルタブルースポップロックを管理する栗東の角居勝彦調教師。今日は角居調教師の管理馬で,初の海外GⅠ制覇を達成した馬を紹介します。それはシーザリオという牝馬。僕は詳しく知りませんが,シェークスピアの戯曲の登場人物の名前のようです。
 2歳の暮れに新馬を勝つと,1月の下級条件,3月のフラワーカップGⅢまで3連勝。桜花賞GⅠは主戦の福永祐一騎手がファンシミンを紹介したときに触れたラインクラフトに騎乗したため愛知の吉田稔騎手に乗り換り。よく追込んだもののそのラインクラフトにはわずかに及ばず2着。優駿牝馬(オークス)GⅠは,ラインクラフトがNHKマイルカップGⅠに回ったために再び福永祐一騎手に戻り,出遅れてしまい非常に厳しい競馬となったのですが直線だけで外を豪快に追込み差し切り勝ち。国内GⅠ勝ちを達成しました。するとその足でアメリカに遠征。アメリカンオークスGⅠに出走すると終始外を回りながら後続に4馬身もの差をつけて快勝しました。常識的な意味でいえば,日本の馬がアメリカでGⅠを勝ったのはこれが初めてといっていいと思います(記録上はハクチカラという馬が勝っていますが,この馬は実質的にはアメリカの馬になっていたと考えられるので)。
 その後,シーザリオは故障してしまい,残念ながらその傷が癒えることなく引退。6戦5勝2着1回,約半年の短い現役生活でした。

 明日はマイルチャンピオンシップです。狙いはハットトリック◎。この馬も角居厩舎で,昨年の暮れに香港でGⅠを勝ってから冴えないレースを続けていますが,天皇賞の内容に僕は復調を感じました。この時期に強い馬です。当然その天皇賞を勝ったダイワメジャー○が相手。そしてそのダイワメジャーには1年以上先着できないでいますが,ほかとの比較からダンスインザムード▲。イギリスから遠征してきたコートマスターピース△の取捨が微妙。日本のスピード競馬への適性が未知で,もとより後方から競馬をしている馬なので,ついて回るだけの可能性もありますが,出走できない帯同馬をわざわざ連れてきているように陣営の本気度は高そうですし,能力的には勝っても不思議ではない馬です。デットーリ騎手の騎乗というのも怖い。僕の判断はここまでですが,今の京都の芝コースは外枠の方が有利という印象で,キンシャサノキセキやアグネスラズベリが穴をあけるシーンもあるかもしれません。

 そして別府記念の決勝(記事は20日を予定)。関東単騎の平原に大阪の前田,中井-栗原の静岡,永井-加藤-宮越の中部,中川-小野の九州で4分戦。混戦模様ですが加藤選手◎から考えます。ただ展開いかんでは小野選手○の頭もありそうです。あと,平原選手▲と前田選手△。静岡勢の一発も十分にありそうです。

 今回はそこにどういった謎(疑問)があるのかということを説明する前にスピノザによる第一部定理五の証明Demonstratioをみておきたいのですが,そのためには第一部定理四が必要ですので先にこちらから。
 「異なる二つあるいは多数の物は実体の属性の相違によってか,そうでなければその変状の相違によってたがいに区別される」。
 第一部定理四を取り上げるのは2度目なのでここでは簡単に証明するにとどめますが,この本文の前者の区別distinguereを実在的区別といい,後者の区別を様態的区別というわけです。そしてこれは第一部公理一意味が,自然Naturaのうちには実体substantiaと様態modi(実体の変状substantiae affectio)だけであるということから明白で,もしもそうであるのなら,AとBというふたつの事物があって,これらが区別し得るなら,AとBは実体の本性essentiaを構成する属性attributumが異なっている(実在的区別)か,属性は同一であるが様態として異なっている(様態的区別)のどちらかだからです。どちらでもない場合は,AとBは区別できない,つまり同じものであるということになります。
 なおこれは,AとBが実在するものとして区別される場合の必要条件を示していますが,認識論的にも同一です。すなわちこれは,知性intellectusがAとBを別の事物として区別し得る場合の必要条件でもあるということになります。
コメント
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