スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

個人の自然権&入院

2021-07-28 19:16:42 | 哲学
 自然権jus naturaeについて,それを個人のレベルで考察していくということが,具体的にどのような意味であるのかということを説明します。
                                   
 Aという人間が現実的に存在すると仮定しましょう。このAが,肘を曲げた上で拳を握り,曲げた肘を伸ばすという運動motusをすることができるとします。するとこの運動はAにとってなし得ることになりますから,Aの自然権に属することになります。
 Aのこの運動は,たとえばBという別の人間が現実的に存在したとき,Bを殴るという運動になり得ます。ですが僕はここでは自然権を個人のレベルで考えるので,この運動がBを殴る運動であるか否かということは無視します。つまりAのある運動が,他者との関係でどのようにみなされるということは一切の考慮に入れず,単にAのある身体運動としてのみそれをみるということです。いい換えれば単なるAの身体運動を,Aの自然権に属するというということです。
 同様に,Aは声帯を震わせることによって何らかの音を出すことができるならば,それはAの自然権に属することになります。このときその音は,あることばとして,他者を傷つけたり貶めたりするという場合があり得ます。ですがこの場合にも,これは単にAが音を出すことができるという意味においてAの自然権に属すると僕はいうのであって,そのAの発したことばが他者に対してどのような影響を与えるか,あるいは効果を齎すのかということはまったく考慮しません。
 これらはどちらもAの身体運動ですが,こうした身体運動がAの思惟作用と関係するという場合もあります。つまりAのある種の身体運動が,Bを憎んでいるということから生じるという場合もあるでしょう。感情affectusは第三部定義三第三部定理二により,ある人間の身体運動の起成原因causa efficiensとなり得ると同時に,Aの精神mensの状態も意味するからです。しかしこの場合にも,Aが何らかの感情をもつことができるのなら,それはAのなし得ることとして,Aの自然権に属すると僕はいいます。したがって,その感情が他者に与える影響は無視します。そしてこれは感情だけでなく,すべての思惟作用に妥当するというように僕は考えていると理解してください。

 11月23日,月曜日。午後1時にお寺の奥さんから電話がありました。
 お寺の檀家は何かと維持費を要します。僕はそうした維持費に関しては,予めまとまった金額を奥さんに渡しておき,必要なときにはその都度その中から使ってもらうようにしていました。基本的に年末にまとまった金額を渡し,それを翌年に使ってもらうというやり方です。そのために奥さんは毎年末に僕の家を訪問していました。ところがこの直前に,奥さんは消化器系の疾患により,2週間ほど入院していたのです。僕はそのことはこのときまで知らず,この電話で知りました。つまりこの時点ではすでに奥さんは退院していたのです。ただ病後の療養期間中なので,少なくとも11月のうちには来訪することができないだろうとのことでした。奥さんは現在は東京都内に住んでいますので,横浜の僕の家まで来るのは楽ではありませんでしたし,また新型コロナウイルスの感染を防止するという観点からも,そうした移動は控えた方がよかったというのもあります。ただ,お金は渡さなければなりませんでしたから,それをどういった方法でするのかということも含め,ある程度の時間の経過の後に,奥さんの体調がどの程度まで回復するのかということをみた上で決めるということにしました。
 11月24日,火曜日。妹を通所施設に送りました。23日は勤労感謝の日でしたから,妹も休日だったのです。
 11月27日,金曜日。妹を通所施設に迎えに行きました。
 実はこの頃,妹についてやや気掛かりな点がひとつありました。生理がなかったのです。僕は妹に対する介助の中では,生理に関連するものが最も大変だと感じていますので,ないというのはそれ自体では楽です。しかし生理というのは妹の年齢であれば本来は約1ヶ月に1度はあるべき身体現象なので,それがないとなればないで,心配にはなります。10月の生理との期間を考えてみれば,この前の週に家にいる間には生理が始まってもおかしくなく,僕はそのつもりでいたのですが,ありませんでした。ですから24日に送ったときには,通所施設の担当者に対して,この点は気掛かりであるという旨も伝えておいたのです。
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