スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産大臣賞典スパーキングレディーカップ&構造主義的解釈

2021-07-09 19:04:59 | 地方競馬
 ホクトベガメモリアルの昨晩の第25回スパーキングレディーカップ
                                        
 最内のサルサディオーネがハナへ。ウルトラマリンとリネンファッションが2番手を併走し,4番手に内に入れたグランデストラーダ。この4頭が先行集団。3馬身差でフェアリーポルカとテオレーマ。3馬身差でライゴッドとサルサレイア。5馬身差の最後尾にマルカンセンサーと,頭数のわりに縦長の隊列になりました。前半の800mは48秒7のミドルペース。
 3コーナーでサルサディオーネがリードを2馬身に広げました。ウルトラマリンは押してもついていくことができなくなり,その外からリネンファッションが2番手に。しかし直線に入ると逃げたサルサディオーネがリネンファッションを置き去りにして独走。鮮やかに逃げ切って優勝。発走後の正面からずっと内を回り,最後の直線だけリネンファッションの外に出されたグランデストラーダがよくリネンファッションを追い詰めましたが届かず,リネンファッションが6馬身差で2着。グランデストラーダがクビ差で3着。
 優勝したサルサディオーネクイーン賞以来の勝利で重賞3勝目。逃げ馬は気分よく走ると,どんなに強い馬が相手でも圧倒するということがありますが,このレースはその典型。強い雨で重馬場になったのも逃げ馬には有利な要素で,これらの条件が複合しての圧勝だと思います。父はゴールドアリュール。母の父はリンドシェーバー。母は2002年に東京プリンセス賞を勝ったサルサクイーン。Dioneはギリシア神話の天空の女神。
 騎乗した大井の矢野貴之騎手はクイーン賞以来の重賞4勝目。スパーキングレディーカップは初勝利。管理している大井の堀千亜樹調教師は重賞4勝目。スパーキングレディーカップは初勝利。

 スピノザの哲学では,同一個体は合一しているといわれます。つまり物体corpusAとAの観念ideaは合一しているといわれます。人間でいえば,現実的に存在するある人間の身体humanum corpusとその人間の精神mens humanaは合一しているということになります。しかし,人間の身体と合一している思惟の様態cogitandi modi,すなわちその人間の身体の観念が,その人間の精神といわれる根拠は,人間の身体とその人間の精神が合一しているという点に由来します。いい換えれば,ある物体の観念は,その観念が観念の対象ideatumとなっている物体と合一しているという観点からみられるとき,それはその物体の精神といわれるのです。他面からいえば,この合一unioという観点を考慮せず,単にある物体とその物体の観念が同一個体であるという観点からみるのであれば,それはその物体の観念といわれるのであり,その物体の精神といういわれ方はしないのです。よって人間について,そのことを重視して正確を期していうなら,現実的に存在しているある人間の身体とその人間の身体の観念は同一個体です。そしてこの同一個体は合一しているために,その人間の身体の観念はとくにその人間の精神といわれることになるのです。第二部定理一三備考の冒頭でいわれているのは,概ねこのような意味だと解するべきです。
 どのような物体にも同一個体があるということはすでに判明しています。そして同一個体は合一しています。したがってすべての物体に精神があるということが論理的に帰結します。同じ備考Scholiumの中でスピノザはすべてのものが程度の差はあっても精神を有しているのだというとき,ここでは日本語でいう場合には精神と訳すより魂animataと訳す方が適切かもしれない語,人間の精神といわれるときの精神とは異なった語を用いているのですが,それでもすべての物体が精神を有するということは,こういった論理構造をもっています。同時にスピノザはこの備考で,物体の本性naturaがどのようであるのかが異なるように,その物体の精神の本性も異なるという主旨のことをいっていて,精神という語を,機能的な意味から解釈しないようにという注意を与えています。よって構造主義的な解釈として,すべての物体は精神を有するのです。
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