スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産大臣賞典黒船賞&可能性

2021-03-16 19:06:36 | 地方競馬
 第23回黒船賞
 ブラゾンドゥリスは発馬後に挟まれて1馬身の不利。まずグリムが先頭に立ち,これをマークするようにテイエムサウスダンが2番手。3番手にはサクセスエナジー,ヴァケーション,モジアナフレイバーの3頭。ノボバカラ,ドライヴナイト,スリーグランドの順で続きこの8頭は一団。6馬身差でスペルマロン。1馬身差でブラゾンドゥリス。3馬身差でインペリシャブル。6馬身差でアイアンブルーと残りの4頭はばらばら。ハイペースでした。
 3コーナーからテイエムサウスダンがグリムに並び掛けていき,コーナーの途中で先頭に。3馬身差の3番手は内からサクセスエナジーで外から追い上げてきたのがモジアナフレイバーとスリーグランド。先頭に立ったテイエムサウスダンは直線に入るところでかなり外に出すと,そのまま後続を突き放していき快勝。2着争いは逃げたグリムとその外のモジアナフレイバー,さらに外のスリーグランドの競り合い。一番外のスリーグランドが伸び勝って8馬身差の2着。スリーグランドには競り負けたモジアナフレイバーが1馬身差で3着。直線の入口では一杯にみえたもののよく粘ったグリムが1馬身半差で4着。
 優勝したテイエムサウスダンは1月のオープン以来の勝利。重賞は一昨年の兵庫ジュニアグランプリ以来の2勝目。このレースは能力ではモジアナフレイバーが最も上と思いましたが,コーナーを4回の1400mというのは不安材料。それが露呈されれば先行した馬に勝機があるだろうとみていたので,予想した通りといえばそうなのですが,これほどの差がつくとは思っていませんでした。どうも地方競馬の馬場に対する適性が高いようですので,これからもそこを狙っていけば重賞の勝ち鞍を積み上げていけそうです。父はサウスヴィグラス
 騎乗した岩田康誠騎手は第10回,14回,15回,16回以来となる7年ぶりの黒船賞5勝目。管理している飯田雄三調教師は黒船賞初勝利。

 絶対に無限な実体substantiaである神Deusのうちに神の観念idea Deiがあるという仕方で,神の観念を神と関連付けられるかは,おそらく人間には分からないと思います。『スピノザ哲学論攷』では,神の観念が思惟の属性Cogitationis attributumの間接無限様態であることが示唆されていて,しかしそれは人間には十全に認識するcognoscereことができないものであるがゆえに,スピノザは思惟の属性の間接無限様態が何であるかということについて明確にしていないという主旨のことがいわれていました。ここでいっているのもそれと同じような意味で,その観念を神と関連付けられるかどうかが人間には分からないということです。
                                        
 ただ,僕は次のようなことはいえるのではないかと思うのです。第二部定理四七の意味は,人間は延長の属性Extensionis attributumと延長の属性を対象ideatumとした思惟の属性については十全に認識することができるということでした。スピノザがこのことを論証する仕方からして,延長の属性を観念対象とした思惟の属性によって説明される限りでの神のうちには,延長の属性の十全な観念idea adaequataがあることになるのではないでしょうか。そして当然ながら思惟の属性の十全な観念もあることになるでしょう。そしてこのことは,おそらく人間には認識することができないすべての属性について妥当し得る論証Demonstratioになるでしょうから,少なくとも神のうちには,各々の属性によって説明される限りでの神の十全な観念はあることになると思います。そうした観念の総体を,絶対に無限な実体である神の観念と規定してよいのかはやはり不明ですが,少なくともそれが可能であることは否定できないように思います。また,各々の属性の区別distinguereは実在的区別であり,第一部公理五により,他の属性の認識cognitioにはまったく依存しないので,絶対に無限な実体としての神の観念というのは,僕にはこのような仕方でしか規定することができないように思えます。
 このようにして,それについて不明な点が多々あるものの,絶対に無限である神のうちに神自身の観念があるということは,可能性としては否定できません。そしてこの観念は当然ながら個物res singularisではあることができず,かつ無限知性intellectus infinitusでもあり得ないので,思惟の属性の間接無限様態になるでしょう。
コメント
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