スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

水都大垣杯&第二部定理七の意味

2021-03-14 19:22:35 | 競輪
 大垣記念の決勝。並びは吉田‐平原の関東,郡司‐守沢の東日本,浅井‐柴崎‐原の中部で古性と上田は単騎。
 前受けは浅井。4番手に吉田,6番手に郡司,8番手に古性,最後尾に上田で周回。残り2周のホームで郡司が上昇。古性が続いて3人で浅井を叩きました。この外から吉田が上昇。バックで郡司を叩いて打鐘から先行体勢に。古性が3番手に切り替えようとし,郡司が譲らなかったので,平原の後ろを内の郡司と外の古性で取り合ったままレースが展開。ホームから上田が発進。吉田を叩いて単騎でのかまし先行になると,下げていた浅井が追って2番手。さらに平原がうまく浅井の後ろに入って3番手。4番手は依然として郡司と古性の併走。直線の手前で上田との車間を少し開けた浅井がそのまま上田を抜きにいくと,平原は上田と浅井の間に進路を選択。浅井が直線でこれを阻もうと平原に車体を寄せていくと平原が押圧され上田と接触し,上田が落車。浅井が先頭でフィニッシュしましたが,走行が上田の落車の要因となったため失格の判定。繰り上がった平原の優勝。郡司の外を併走した古性がそのまま直線で外から伸びて1車身2分の1差で2着。バックで外から追い上げ古性をマークするような形になった原が,郡司をマークした守沢に伸び勝って2車身差の3着となり大波乱。
                                        
 優勝した埼玉の平原康多選手は大宮記念以来の優勝で記念競輪27勝目。大垣記念は2013年11月以来となる2勝目。このレースは脚力では郡司が上位で,吉田をマークする平原がどのように抵抗するのかが焦点。単騎のふたりがどういうレースをするのかが分かりませんでしたが,古性は執拗に郡司を封じ,上田が単騎ながら果敢に先行するという展開に。うまく続いた浅井に絶好の展開となり,失格にはなったものの1着で入線しました。郡司は完全に封じ込められ不発になってしまいましたので,結果からいえば,3番手は早めに譲ってしまった方がよかったかもしれません。

 人間の精神mens humanaのうちに永遠aeterunusである事柄の観念ideaが現実的に存在し得るということは.経験的にも理解できただろうと思います。したがって,観念対象ideatumが永遠である事柄である観念が,永遠ではなく持続するdurare観念であるということは現にあり得るしもっといえばあるのです。そしてこれと同じように,無限infinitumであるものを観念対象とした観念が,無限ではなく有限finitumであるということも,現にあり得るし現にあるのです。
 このようなことが可能になるのはなぜかということは,実は第二部定理七が説明してくれます。この定理Propositioは一読したところでは,観念対象が無限である観念が有限であること,また観念対象が永遠である観念が持続する観念であることは不条理であるといっているように思えるかもしれませんが,実際はそうではありません。この定理がいっているのは,観念対象となっているものの連結connexioと秩序ordoが,観念の中に十全に表現されるexprimunturということなのであって,そのゆえにある観念とその観念対象とは同一個体であるということなのです。このとき,観念対象がどのようなものであるのかということも,また観念がどのようなものであるのかということも問われてはいないのです。つまり観念対象が無限であろうと有限であろうと,また永遠であろうと持続するものであろうと,その連結と秩序はその観念の中に表現されるのであり,そうした観念対象の表現を含んでいる観念は,無限であろうと有限であろうと,そして永遠であろうと持続するものであろうと成立するのです。したがって,有限で持続する観念の観念対象が無限かつ永遠であるという場合はあり得ます。その永遠かつ無限な観念対象の連結と秩序は,それを観念対象としたそれ自体では有限かつ持続する観念のうちにも,十全に表現されるということがあるからです。
 ですから,人間の精神のうちに神Deusを観念対象とした観念があるということ,より正確にいえば神の十全な観念idea adaequataがあるということは,不条理ではありません。したがって神の観念idea Deiが人間の精神のうちにあるという場合には,この神の観念は思惟の属性Cogitationis attributumの有限様態すなわち個物res singularisとみなすべきであり,実際にそうした観念が人間の精神のうちにあるのです。
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