スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産大臣賞典エンプレス杯&人間精神の検証

2021-03-04 19:04:53 | 地方競馬
 キヨフジ記念の第67回エンプレス杯
                                        
 レーヌブランシュとヒキュウは加速が鈍く1馬身の不利。マルシュロレーヌは互角の発馬からすぐに控えました。サルサディオーネがすんなりとハナへ。マドラスチェックとローザノワールが2番手。巻き返してきたレーヌブランシュとグランデストラーダが4番手。6番手以下はプリンシアコメータ,ダノンレジーナ,シャイニングアカリ,ハクサンアマゾネス,マルシュロレーヌ,ヒキュウの順で発走後の向正面を通過。1周目の正面に入ってローザノワールが単独の2番手に。2周目の向正面に入ると3番手のマドラスチェックとレーヌブランシュ,その直後のプリンシアコメータと後ろの差が開き,マルシュロレーヌが6番手に。ミドルペースでした。
 3コーナー前からマドラスチェックが外から動いていき,逃げたサルサディオーネもそれに対抗。前にいたそれ以外の馬がこの動きについていくことができなかったので,一時的に3番手との差が4馬身くらいに開き,マルシュロレーヌが3番手に上がってきました。直線に入ると逃げたサルサディオーネがマドラスチェックを振り切りましたが,外から脚を伸ばしてきたマルシュロレーヌの勢いが素晴らしく,サルサディオーネを差し切って優勝。逃げ粘ったサルサディオーネが4分の3馬身差の2着。一杯になったものの粘り切ったマドラスチェックが6馬身差で3着。ダノンレジーナがクビ差の4着まで迫りました。
 優勝したマルシュロレーヌTCK女王盃からの連勝で重賞3勝目。ダート路線では現役の牝馬では最強。川崎コースに対応できるのかがやや不安でしたが,問題なく対応しました。メンバーが固定化しつつありますので,新進の馬の出現がない限り,今年はこの路線で大活躍を見込めそうです。父はオルフェーヴル。祖母がキョウエイマーチで9代母がシュリリー。Marche Lorraineは行進曲の曲名。
 騎乗した川田将雅騎手と管理している矢作芳人調教師はエンプレス杯初勝利。

 主体の排除について考察するときは,神Deusのうちに神の十全な観念idea adaequataがあることは既定の事実とみなさなければならないということがなぜかということは分かったかと思います。そして同時に,当初の目的であった,神のうちに神自身の十全な観念があるということも示すことができました。そこで次に,ある人間が現実的に存在しているときに,その人間の精神mens humanaのうちに,神の十全な観念があるのかどうかということ,また,もしそれがあるのであれば,どのような観念としてあるとスピノザが考えているかということを検証していきます。
 まず,現実的に存在する人間の精神のうちに,神の十全な観念があるということ,少なくともそれがあることが可能であるということについては,スピノザは是認していると僕は考えます。その最大の根拠となるのは,第二部定理四七です。そこでいわれているのは,人間の精神が神の十全な観念を有するということではなく,人間の精神が神の永遠aeterunusで無限な本性essentiaを十全に認識するcognoscereということではありますが,第二部定義二からして,事物と事物の本性は一対一で対応し合うのですから,ある事物の本性を十全に認識するということと,そのものを十全に認識するということは,同じことでなければならない筈です。したがって,もしも人間が神の本性を十全に認識するのであれば,人間は神を十全に認識するということになるでしょう。よって,現実的に存在する人間が,神を十全に認識するということについては,スピノザは肯定していると僕は考えるのです。あるいは同じことですが,ある人間の精神を構成する観念のうちに,神の十全な観念が存在する,少なくとも存在し得るということを,スピノザは認めると僕は考えるのです。
 ただし,僕はこのことの意味は限定的に解さなければならない側面があるとも考えます。ここで限定的というのは,次のような意味です。
 僕は第一部定理一一を援用した上で,神のうちには神自身の十全な観念があるということを論証しました。第一部定理一一でいわれている神は,第一部定義六でいわれている神のことです。つまり,無限に多くの属性infinitis attributisによってその本性を構成されている神のことです。
コメント
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