スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

瀬戸の王子杯争奪戦in広島&永遠で無限な本性

2021-03-07 19:39:08 | 競輪
 広島競輪場で行われた玉野記念の決勝。並びは黒沢-和田の東日本,清水‐松浦の中国,太田‐取鳥‐岩津の四国中国,山田‐小川の九州。
 小川と山田がスタートを取りにいきました。同じラインですから山田の前受けに。3番手に太田,6番手に黒沢,8番手に清水という周回に。残り3周のバックの出口から清水が上昇を開始。黒沢が松浦の後ろに続きました。山田はホームで引いたので,誘導の退避と同時に清水が前に。続いていた黒沢がコーナーで外を上昇し,清水を叩くとバックから太田が発進。打鐘から先行。取鳥も岩津もやや離れましたが,黒沢が飛びつけなかったので何とか3人で出きりました。ホームから清水の反撃。待ち受けていた黒沢が合わせてバックで発進すると取鳥が番手捲り。黒沢の後ろから和田がうまく取鳥の後ろに入り,清水マークの松浦は和田の後ろに。取鳥が先頭で直線に向いましたが,和田の後ろから取鳥の外に持ち出した松浦がシャープに伸び,取鳥を差し切って優勝。取鳥が半車身差の2着。取鳥の内に進路を取った和田は伸びきれずに半車身差の3着。
 優勝した広島の松浦悠士選手は前々回出走の高松記念以来の優勝で記念競輪9勝目。玉野記念は初優勝ですが広島記念は2018年に優勝があります。このレースは広島で行われる玉野記念で,広島の松浦と岡山のふたりが別のライン。どういう展開になるか難しかったのですが,岡山勢に前を任された太田が打鐘から先行していくレースに。総合力では清水と松浦の方が上ですが,自力のある取鳥の番手捲りによって捲り切れず。それでも不発ということではなかったので,うまく切り替えた松浦が直線で差し脚を発揮するという結果になりました。取鳥は太田が発進したときに離れてしまったのが,最後の粘りに影響したかもしれません。

 第二部定理四五のうち,第二部定理四七を証明するために必要なことは,一般に個物res singularisの観念ideaが,神Deusの永遠で無限な本性essentiaを含んでいるということではなく,物体corpusの観念が神の永遠で無限な本性,すなわち延長の属性Extensionis attributumを含んでいるという点にあるのです。そしてこのことを援用することによって,第二部定理四七でいわれていること,すなわち人間の精神mens humanaが神の永遠で無限な本性を十全に認識するcognoscereということが証明されるのですから,この定理Propositioでいわれている神の永遠で無限な本性というのは,まず延長の属性のことを意味すると考えるのが正しいといえるでしょう。
                                   
 ただし,人間の精神が認識する神の無限で永遠な本性というのは,延長の属性だけではありません。そこには思惟の属性Cogitationis attributumも含まれます。僕は観念は,観念の対象ideatumが同一の属性のものであるなら様態的に区別されますが,観念の対象が異なる属性のものである場合の区別distinguereは実在的区別であると考えています。この点に留意するなら,人間の精神が十全に認識する属性は,単に思惟の属性というより,延長の属性を観念対象とする思惟の属性という方がいいかもしれません。こうした永遠で無限な思惟の属性を人間の精神が十全に認識し得るということは,以下のように説明できます。
 スピノザの哲学では,思惟の様態cogitandi modiたとえば観念も観念対象となります。つまり観念の観念idea ideaeです。このとき,ある知性intellectusのうちにXの十全な観念idea adaequataがあるなら,Xの観念の観念も同じ知性のうちにあります。この場合のXの観念とXの観念の観念は,同じ仕方で神と関係づけられるからです。すなわちこの知性をAという人間の精神mens humanaであると仮定するなら,Aの精神の本性を構成する限りでXの観念は神のうちで十全であると関連付けられ,また同時に,Aの精神の本性を構成する限りでXの観念の観念は神のうちで十全であると関連付けられるのです。そしてこのとき,Xの観念が十全であるということ,いい換えれば真であるということを,第二部定理四三によりAの精神は認識します。そしてこのXの観念は,思惟の属性を含んでいます。よって人間の精神は,延長の属性を対象とした思惟の属性については,それを十全に認識できます。
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