スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産大臣賞典黒船賞&デカルト批判の意図

2014-03-18 19:44:41 | 地方競馬
 別定戦に変わって地元のエプソムアーロンがどの程度まで戦えるのかを個人的には楽しみにしていた第16回黒船賞
 好発はクリスタルボーイで逆にやや出負けしたのがダイショウジェット。先手を奪ったのはティアップアワイルドで2番手にセイクリムズン。クリスタルボーイは3番手となり,セレスハント,エプソムアーロン,ファイアーフロートは一団。向正面に入るとこれらの外にドリームバレンチノが追い上げていき,少し離れてダイショウジェット。ミドルペースであったと思われます。
 3コーナー手前でセイクリムズンがティアップワイルドに並び掛け,大外を回って追い上げたドリームバレンチノも取りついて3頭が雁行状態で直線に。ティアップワイルドはここでギブアップ。余力を残していたセイクリムズンが抜け出し,それ以上は差を詰められることもなく優勝。ドリームバレンチノが2馬身差で2着。さらに外から末脚を伸ばしたダイショウジェットが2馬身差の3着。
 優勝したセイクリムズンは昨年の黒船賞以来の勝利で重賞9勝目。第14回も勝っているのでこのレースは三連覇となる3勝目。前走はレース中に跛行があったため大敗しましたが,幸いにして軽度のもの。昨年のこのレース以降,勝てないまでも差のないレースを続けていて,ここはメンバー構成から久々にチャンスとみていました。能力は2着馬の方が上かもしれませんが,地方競馬のコース適性で,一日の長があったように思います。アストニシメントヤマトナデシコの分枝で甥に2011年の阪神スプリングジャンプを勝ったオープンガーデン
 騎乗した岩田康誠騎手は第10回,14回,15回を制していて黒船賞は三連覇で4勝目。管理している服部利之調教師は第9回,14回,15回を制していてやはり黒船賞三連覇で4勝目。

 神を絶対に無限と定義することのうちに,延長の属性を神に帰すというスピノザの意図があったと把握することも,それほどひどい誤りではないように思います。河合の論述に出会って,僕はそう思うようになったということは,すでにいった通りです。一方,旧来的な考え方を脱しきれないような思想家や宗教家はもちろん,かれらよりはよりリベラルに位置していたといえるカルテジアンにとって,スピノザの哲学が躓きの石になったとすれば,その根源はこの部分にあったというべきでしょう。スピノザの考え方を,神を物体的なものとみなしていると誤解し,無神論と結び付けたのは,スピノザのような先鋭的な考え方を理解できなかった人びとにとって,スピノザを批判する唯一の方策であったかもしれず,時代的背景からそのような事態が発生したことは,自然の成り行きであったともいえます。
 僕は,スピノザの思想はデカルトの思想なしにはあることも考えることもできないという一面があると思っています。延長の属性が神の本性を構成すると主張したこと,いい換えれば物体的実体とは神であるということを主張したことは,スピノザにとっては,デカルトの思想を真理の方向へとさらに推進することだったと理解しています。スピノザは多くの箇所でデカルトを直接的に,というのは実名を出して批判していますが,スピノザがあえてそういう手法を採用しているのは,デカルトが完全に誤っているということをいいたいがためであるというよりも,デカルトには不十分なところがあるといいたかったためだろうと思うのです。少なくともデカルトの考え方すら認められなかった宗教的あるいは政治的な反動的勢力に比べたら,スピノザはデカルトの方をよっぽど支持していただろうと思います。
 スピノザがこのときにデカルトに向けた刃は,後にニーチェによってスピノザ自身にも向けられることになります。ニーチェの「神は死んだ」ということばは,キリスト教に向けられていると同時にスピノザにも向けられたものであると僕は解していますが,ニーチェがそう主張するときの意図として,スピノザの思想にはまだ不十分で反動的な側面が残っているということがあったからです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする